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投げキス釣りの実釣編

2011 年 6 月 15 日 Comments off

 楽しい投げ釣り ―シロギスへの挑戦―

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スズキ目キス科キス属

? いよいよ実釣です

どんな釣りでも、釣行の時だけが釣りではありません。今日の釣りから帰ってから、もう直ぐに、次ぎの釣行に向けた仕度が始まっていると云っていいでしょう。このように聞くと、釣りって大変なんだなあ!と思うかも知れません。しかし、言い換えると、それだけ何時も楽しめるものなのだ!とも言えます。ここでは、釣りの仕度からはじめて、実際に釣ること、帰ってからやっておくことを手順を追って説明します。
 
(1) 釣行前日の仕度です
? 先ずは誰と、何処に行くのか。交通手段や待ち合わせ場所は? お弁当や飲み物は?・・等などを確かめます。また、家族の人にも、これらのことをしっかりと伝えておきましょう。
? つぎは、明日の天候はどうだろうか? 釣り道具は揃っているか? 仕掛けは十分か? チカラ糸とミチ糸のつなぎは傷んでいないか?・・等、道具のチェックをしておきます。
? 最後は、自分が行こうとする釣り場の情報がほしいですね。友達やベテランの人、あるいは、ホームページや、行く近くの釣り具屋さんにエサの有無などと合わせて電話することなども方法です。そして、目覚まし時計の時刻を合わせて早く寝ましょう。

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(2)釣行の当日です
?顔を洗って、ご飯をしっかり食べて、トイレに行って・・かんぺきな体調で出発です。途中で釣り具屋さんに寄って、海の状況や釣れ具合などを聞きながらエサを購入します。エサは「ジャリメ」です。一杯で充分でしょう。

?海岸に着き釣り座を取ります。
・先ず、釣り場所を決めますが、「釣り座」は、波が寄せた跡や「上げ潮」などから判断して、波をかぶらない位置に取ります。後は、持ってきた荷物が砂をかぶったり埋もれたりしないように、整理して置いてください。
・仲間や、すでに先行者がいる場合は、サオを振れるだけの間を取ってください。これを「サオ間」を取るといいます。
・ここで注意です!! リールやサオを砂の上に絶対置いてはいけません。特に、リールが砂をかむと大変なことになってしまいます。
・ 最初にするのは、サオ立てをクーラーボックスの近くか、釣り座の前側にしっかりと、倒れないように立ててください。サオは取りあえずそこに立て掛けておきます。

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?道具をセットします。
・釣り座を決めたら、次は道具のセットです。先ず、サオをつなぎます。順番は「トップザオ」と「二番ザオ」から、それから「元ザオ」です。「ガイド」から「リールシート」までが真っ直ぐに通るようにガイドの穴をのぞきながら、また、ゆるみが無いようにしっかりとつなぎます。
・「リール」です。リールシートにしっかりとはめ込んで留め金を固定します。
・次は、ガイドにイトを通します。サオをサオ立てに低く置いてください。リールの「ベール」を起こして、チカラ糸を引き出して先端をガイドに通していきます。
・通し終えたら、チカラ糸の先端に大きい方の「スナップ付きサルカン」を結びます。
・スナップ付きサルカンを開き、オモリを着けます。オモリは「L型テンビン」でも「ジェットテンビン」でもかまいません。ジェットは前後の方向を間違いないように正しく着けてください。スナップは確実に閉じてください。

?仕掛けをセットします。
・テンビンの先端に「砂ズリ」を付け、砂ズリの先端の「サルカン」に、仕掛けの幹イトを通して結んでください。
・「仕掛け巻き」から仕掛けをほどき、ラインの前後を持って強めに引いて「ヨリくせ」を取ります。
・サオを持ち、リールのベールを戻します。そして、ゆるんだチカラ糸を、サオを持った手の指(親指と人指指)でつかみながら、「スプール」に巻き取ります。終わったら、クーラーボックスのサオ置きにサオを置いてください。

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?エサの準備をします。
・エサを「保管用のエサ箱」に移し、できれば海水で洗ってやってください。そして、もう一つの「小出しのエサ箱」に、適当に少しだけ取り出しておい置いてください。保管用のエサ箱は陽に当たらないようクーラーにしまってください。
・合わせて、「イシ粉」も出してください。イシ粉が無ければ、付近にいくらでもある細かい乾いた砂でもかまいません。

?ハリにエサを付けます。
・エサの付け方は、エサの種類によっても、釣りの状況によっても、その時々によって違います。ここでは、一般的な「ジャリメ」を使います。
・基本的な使い方としては、図のようにハリを真っ直ぐに通し、ハリいっぱいの所でハリを返します。
・エサは、ハリ下0.5〜1.5センチ位で切ります。
・これを「タラシ」と言いますが、あまりタラシを長くしたままで遠投したり、乱暴な投げ方をするとエサが切れて飛んでしまいます。
・ジャリメの場合、一匹づけをする場合がよくあります。この時は、ハリを頭から刺して体上部の黒い部分からハリ先を抜きます。かなり強く投げても切れる心配はありません。
・湘南海岸で通常使う、もっともポピュラーなエサはジャリメですが、気温が下がったり、水が濁ったりしたときは青イソメの方が良い場合があります。この他には「東京スナメ」や「岩イソメ」などがあります。

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(3)投げる練習です
?さて、これからいよいよ投げ釣りの本番なのですが、その前に投げる練習をしておきましょう。キャスティング競技ではルール化された投げ方がありますが、「実釣」では、その場に応じた投げ方が要求されます。

?一般的には、振り出すサオの角度から、サイドスロー、スリークォータースロー、オーバースローなどがあります。また、サオからオモリを振り出す形から、V字投法、回転投法、スウィング投法などがあります。何れは覚えなくてはなりませんが、当面は、安全なV字投法に近い形での、オーバースロー又は、スリークォータースローを覚えればよいでしょう。

?投げ釣りの基本はオーバースローです。少し慣れてくると、人間の体の特性からスリークォータースローがもっとも適した投げ方になりますが、先ずはオーバースローをしっかりマスターしてください。ここでは、理論よりも実際にサオを振って、「身体」で覚えてもらいます。

?練習は、上記の(2)の?がセットされた状態で始めてください。

(4)釣りの本番です
?さて、100メートルに投げたとしましょう。オモリが海底に届いた感触が分かりましたか? ミチ糸(ライン)がフアッと、弛んだときが着底した時です。すこしラインを張りぎみにしているときには、ストンとした感じが読み取れます。

?弛んだラインをリールに巻き取りましょう。オモリとサオ先が直線状になるようにして少しだけ、手前にオモリをずらします。これからは、オモリ以下のいわゆる仕掛けを「しばらく待っては、少しだけ手前に引く」を繰り返します。このことを「サビく」といいます。
?サビキの間隔は、その日、その時間、潮の干満、流れ、潮色、魚の濃淡などで変るといえますが、残念ながら決定的なことは誰も分かりません。はっきり云えることは、釣れる状況を維持できる釣り方、サビキ方が一番合ったものだと言えましょう。

?シロギスの喰った瞬間の「アタリ」は強烈です。ブルッブルッの最初のアタリが一番強く段々と弱まります。慣れてくると、この感じで次々と追い食いするのが分かります。

?アタリがあったら少しだけまって、確実に「ハリ掛り」しているかどうか確かめてください。アタリがあって慌てて強く、グィッとアワセル人がいますが、これは不要です。「向こうアワセ」といって、アタリがあったときには既にハリ掛りしていると考えていいでしょう。強いアワセによって、逆にハリが口から抜けてしまうことがあるからです。

?取り込みです。「リーリング」の速度は、速からず遅からず・・です。早すぎると水面上に魚が浮き上がったり、ときには水の抵抗でハリが抜けてしまいます。また、途中で止めてはいけません。特に大型の場合は急反転して頭を振り、ハリを外して逃げてしまいます。

?注意することは、波口の「カケアガリ」と「返しの波」です。カケアガリは砂利層であったり、海流の反転があったりします。また、返しの波は意外と強く、その状況で魚を強く引くと、ハリが抜けてしまいます。反転する波や、引き波のときには一呼吸まって取り込みにかかってください。

?釣れた魚がハリを飲み込んでしまっていることは以外に多くあります。「ハリはずし」を使いますが、ハリ外しを使わなくとも、指で両方のエラの部分をキュッとつかみ、枝スを持ってツンツンと引いてみてください。大概の場合は外れます。

?「クーラーボックス」には氷は入っていますか? また、魚をそのまま入れると、クーラーが汚れたり魚が干からびてしまい、後の料理で困ってしまいます。ビニール袋に海水を少しだけ入れ、濡れた状態でストックするのが一番です。

?「手返し」は早くしましょう。シロギスは群れで泳いでいます。一尾釣れたところには未だ仲間がいると考えてください。移動しないうちに次々と投入することが「釣果」を上げるコツです。
?シロギスの食う場所はその時々で違いますが、居着く場所は砂地や小石混じりの層です。また、海底に「カケアガリ」や「ヨブ」等があるところ、すじ状の「ミオ」や「ウド」ができるところに集まります。したがって、遠投できないから釣れないなどとあきらめずに、そうした所を丹念に見つけ歩いて釣ることを勧めます。

?投げ釣りでは、フグやメゴチが定番です。フグは口に気を付けてください。メゴチは小さくとも美味しく食べられます。この他にもイシモチやヒイラギ、時には、ホウボウやヒラメ、マゴチなど釣れます。何れも要らないなら必ず「リリース」(生きたままの放流)してやってください。

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(5)そろそろ終了です。
?シロギスは昔から、朝夕の「マズメ」時や、潮の「満ち干の前後」が一番釣れると言い伝えられていますが、今でもそのとおりです。しかし、湘南の海岸では引き潮の時に釣れる場合が多いようですし、午後は余り良くないように思えます。一日の釣りは、早朝から昼前後までというのが一般なようです。

?そろそろ仕舞いたいと思います。道具の仕舞いは、朝、支度した順を逆にして下さい。このとき、次ぎの釣行を考えて、必ずチカラ糸とミチ糸を結び直しておいてください。
また、残ったエサを明日また使うなら、海水でよく洗って死んだものや弱ったものを丁寧に取り除いてください。エサは、低温(冷蔵庫の野菜入れ)にして、手入れさえ良ければ一週間は十分持ちます。

?後は、持ち帰るゴミを整理したり、良く釣れた場所などをチェックして「納竿」です。

(6)帰宅後の作業です
?釣りから帰って、ああ疲れたといって風呂に入ってご飯を食べてでは家庭は上手くいきません。先ずは使った道具の手入れをしてください。

?サオとリールはぬるま湯で洗います。ともかく錆びる部分はていねいに洗って、乾かしてから、リールのローラー部分にオイルをさしたり、金具にはスプレーしたりします。使ったものは潮をかぶっていますから、拭いたり洗ったりしておきます。

?消耗した釣り具をチェックすることも大事です。足りなくなったものや海岸で知った便利なものなどは、次ぎの釣行までに買い揃えておきましょう。
? シロギスの美味しい食べ方
自分で釣った魚を食べるのは一味違います。シロギスの下ろし方と料理のメニューを簡単に紹介します。

(1)シロギスの下ろし方
?砂浜で釣ったシロギスは砂が付いていますので、必ず冷たい水でよく洗ってください。
?包丁は小出刃を使います。先ずは、包丁でウロコをよく取ります。
?塩焼き用には、エラとハラワタを出し、洗って出来上がりです。
?天ぷらやフライ用には三枚に下ろします。横ビレの直ぐ下に包丁をあて、中骨までの半分までを切り、魚を裏返して後の半分を切って、頭を取り除きます。
?腹に縦に包丁を入れて、ハラワタを取り除きます。このようにして、全ての魚のウロコとアタマとハラワタをとって、冷水でよく洗います。浮き袋まで良く取り除いてください。アタマも洗っておいてください。
?ザルに上げて水を切り、順次、三枚に下ろします。アバラボネはすくように、丁寧に包丁を入れて取ります。
?下ごしらえができた魚は、取りあえず冷蔵庫に入れておきます。保存はラップして冷凍します。
?アタマと中ボネは、サッと熱湯をかけ、臭みを取ってからダシを取ります。大根の味噌汁や天ぷらのタレを作ると最高です。

(2)シロギスの代表的な料理
代表的なものとしては、サシミ、酢の物、天ぷら、フライ、ムニエル、コガネ焼き、南蛮漬けなどがあります。どれをとっても美味しいもので、付け合せや独自のソースなどを工夫するとさらに美味しくいただけます。各家庭で色々と工夫してください。

* 最後に一つだけ絶品の「コブ〆」を紹介しておきましょう。
・ 三枚に下ろした身に、サッとあら塩をかけ2〜3分おきます。
・ 直ぐに、たっぷりのお酢で塩を洗い流します。酢漬けするのではありません。酢は殺菌とあくまでも塩を洗い流すだけです。
・ ボールにとって、水分(酢気)があるうちにタッパーなどに、良質のコンブと重ね合わせて冷蔵庫にしまいます。コンブは薄く柔らかい、竿前コンブか早煮コンブが適します。
・ 2〜3日置いて、ワサビ醤油で食べます。コンブも付け合せます。
日が経ったものは、細切りにしてお茶づけです。しろゴマ、のり、梅干をのせるとよく合い絶品です。   

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投げキス釣りの仕掛編

2011 年 6 月 2 日 Comments off

 楽しい投げ釣り ―シロギスへの挑戦―

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スズキ目キス科キス属

? 自分のオリジナルな仕掛けを作ってみよう

さあ、ここで、自分の仕掛けを作ってみましょう。最初ですから、ごく基本的な仕掛け作りを紹介します。ハリ数を増したり、長くするにはこれを応用してください。

(1)先ず材料を用意します
?幹イトには、2号のナイロンを用意して下さい。ハリスとして市販されているものなら安価なものでかまいません。

?次に、枝スを作るナイロンです。これは特殊なハリスで「ゴーセン」というメーカーから出されている、「ホンテロン」又は「アクアキング」を使います。1号を買ってください。これは硬いイトですから、幹イトに枝状に結んでも、垂れ下がりにくく、投げた時にも幹イトに絡みにくいといった特性をもった特殊なハリスなのです。

?ハリは、キス専用のものを選んでください。湘南ギスとか競技用とか色々ありますが、大きさは6号、7号位が適当でしょう。
(2)材料が揃ったらいよいよ仕掛け作りです
最初ですから使いやすいように、全長が150センチの三本バリ仕掛けとします。ラインの結び方やハリの結び方は図を参照してください。

?最初の作業は「枝ス」作りです。先ず、ホンテロンを10センチほどの長さにまとめて切っておき、ハリを次々に結んでおきます。

?次に、幹イトを150センチに切ります。この幹イトの下から80センチの所に3番バリを結びます。作っておいた枝スを上向きに重ね、ハリから幹イトまでの長さを3〜4センチとして、「二重結び」で結んでください。

?次は2番バリです。3番バリと同じように、枝スを下から40センチの位置に結んでください。

?最後は、一番バリです。ここでは、幹イトの末端に枝スを下向きに平行に重ね、枝スを出来るだけ長くなるように、結んでください。

?最後に、余分に残った枝スのラインを短く切ってください。これで完成です。後は、仕掛け巻きに1番バリから順に巻いてストックします。

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? ラインの結びを憶えよう

ラインは、ラインとライン、ラインとハリ、ラインとサルカンなど色々なものと結びます。結び方は、結ぶ相手によっても違いますし、同じ相手でも結び方がいく通りもあります。ここでは、投げ釣りに最小限必要な、基本的な結び方だけを説明しておきます。

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(1)スプールにミチ糸を結びます
?新しいリールとミチ糸を買ってきました。さて、スプールに結ぼうとしても止める装置が無いものはズレてしまったり緩んだりで、なかなか上手くいきません。

?最後の?ところをあまり強くギュウギュウと引かずに、軽く止まる程度として、上からミチ糸を重ねるように巻き始めてください。ミチ糸は緩みのないように最後までしっかり巻き取ってください。

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(2)ミチ糸とチカラ糸を結びます
?ラインとラインの結び方です。同じ「素材」でない場合は、スベッてしまい上手く結べないことがあります。この時は、片側ずつ違えた結びをしてください。

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(3)チカラ糸とサルカンを結びます
?ラインとサルカンなど金具類との結び方で、直に結ぶ時に必要な結び方です。

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(4)ハリスにハリを結びます
?ハリの結び方もいく通りもありますが、ともかく慣れることが一番です。ハリ結び器などより、手で巻くほうが確実に早く巻けるはずです。
?図に従って練習してください。
?あらかじめ、ハリスを10センチくらいに切り揃えている場合には、「内掛け結び」で結んでください。
?長いハリスの先端にハリを結ぶ場合は、「外掛け結び」が適切です。

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5)幹イトに枝スを結びます
?ハリのついた枝スを幹イトに結びます。上から下に順に結んでいきます。

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今回の釣り名人は、シロギズ釣りの仕掛け編を紹介しました。

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投げキス釣りの道具編

2010 年 5 月 10 日 Comments off

 楽しい投げ釣り ―シロギスへの挑戦―

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スズキ目キス科キス属

? 「投げ釣り」の道具を整えよう
1 投げ釣りに必要な釣り道具

釣りをするには、釣る魚に見合った道具や仕掛け、エサなどが必要です。ここでは砂浜海岸からのシロギス釣りを対象とした、初心者用の投げ釣り用の道具を中心に説明します。

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(1) 投げ釣りの必需品

?サオ(投げザオ) 
?リール(スピーニングリール) 
?ミチ糸(ライン)  
?チカラ糸   
?オモリ(テンビンオモリ)  
?スナズリ(ヨリ糸)
?仕掛け巻き  
?仕掛け(ハリス=幹イト+枝ス+ハリ)  
?エサ


今月はYellow Guys 理事であり、神奈川県平塚市在住の
高沢鱚介氏が
キス釣りの道具編をお届け致します。!
高沢鱚介



 楽しい投げ釣り ―シロギスへの挑戦―
スズキ目キス科キス属

? 「投げ釣り」の道具を整えよう
1 投げ釣りに必要な釣り道具
 釣りをするには、釣る魚に見合った道具や仕掛け、エサなどが必要です。ここでは砂浜海岸からのシロギス釣りを対象とした、初心者用の投げ釣り用の道具を中心に説明します。
(1) 投げ釣りの必需品

?サオ(投げザオ) 
?リール(スピーニングリール) 
?ミチ糸(ライン)  
?チカラ糸   
?オモリ(テンビンオモリ)  
?スナズリ(ヨリ糸)
?仕掛け巻き  
?仕掛け(ハリス=幹イト+枝ス+ハリ)  
?エサ
(2) 常に用意しておくもの、あったほうが便利なもの

? サオ立て 
?クーラーボックス 
?ゴミ袋(ビニール袋) 
?エサ箱  
?手拭タオル 
?ハサミ 
?ハリはずし 
?指サック 
?サルカン(スイベル) 
?石粉(スベリ止め) 
?予備のミチ糸、チカラ糸、オモリ、スナズリ(ヨリ糸)、仕掛け?道具入れ(カバン)・・などがあります。
この他に、サオ止め用ベルト、ビニールバケツ、帽子、長靴、防寒コート、
サングラス、ケイタイ電話などもあったほうが良いでしょう。

2 投げ釣り必需品の選び方

釣り道具ほど細やかに、色々な種類があるものは他には無いでしょう。それは極端に言って、対象となる魚の種類と、様々な釣り方にあわせて道具が考案されているからです。当然、投げ釣りで、同じシロギスを釣るのでも色々な種類があります。
ここでは、初心者が100メートル位の距離を攻めることを前提として、まあまあ、これならばという「道具」を中心に選びたいと思います。ただ、安物で壊れ易く危険性があるものは避けたいと思います。また、高級品や、体力、技術が伴わないと使えないようなものなどは、もっと上達してから揃えることとし、ここでは省略します。

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今月はYellow Guys 理事であり、神奈川県平塚市在住の
高沢鱚介氏が
キス釣りの道具編をお届け致します。!
高沢鱚介



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? 「投げ釣り」の道具を整えよう
1 投げ釣りに必要な釣り道具
 釣りをするには、釣る魚に見合った道具や仕掛け、エサなどが必要です。ここでは砂浜海岸からのシロギス釣りを対象とした、初心者用の投げ釣り用の道具を中心に説明します。
(1) 投げ釣りの必需品

?サオ(投げザオ) 
?リール(スピーニングリール) 
?ミチ糸(ライン)  
?チカラ糸   
?オモリ(テンビンオモリ)  
?スナズリ(ヨリ糸)
?仕掛け巻き  
?仕掛け(ハリス=幹イト+枝ス+ハリ)  
?エサ
(2) 常に用意しておくもの、あったほうが便利なもの

? サオ立て 
?クーラーボックス 
?ゴミ袋(ビニール袋) 
?エサ箱  
?手拭タオル 
?ハサミ 
?ハリはずし 
?指サック 
?サルカン(スイベル) 
?石粉(スベリ止め) 
?予備のミチ糸、チカラ糸、オモリ、スナズリ(ヨリ糸)、仕掛け?道具入れ(カバン)・・などがあります。
この他に、サオ止め用ベルト、ビニールバケツ、帽子、長靴、防寒コート、
サングラス、ケイタイ電話などもあったほうが良いでしょう。
2 投げ釣り必需品の選び方
 釣り道具ほど細やかに、色々な種類があるものは他には無いでしょう。それは極端に言って、対象となる魚の種類と、様々な釣り方にあわせて道具が考案されているからです。当然、投げ釣りで、同じシロギスを釣るのでも色々な種類があります。
ここでは、初心者が100メートル位の距離を攻めることを前提として、まあまあ、これならばという「道具」を中心に選びたいと思います。ただ、安物で壊れ易く危険性があるものは避けたいと思います。また、高級品や、体力、技術が伴わないと使えないようなものなどは、もっと上達してから揃えることとし、ここでは省略します。

(1)サオ(投げザオ)
?サオの材質は大きく分けて「グラスロッド」と「カーボンロッド」があります。また、両方が混合されたものもありますが、細身で軽く、反発のあるカーボンを選びましょう。値段はメーカーによって違いますが、少々高くても上級品を選ぶべきです。将来にわたって、近場の予備サオとして使えます。

?サオの長さと強さですが、長さは、3.6m、3.9m、4.05m、4.2m、4.5mなどがあります。 強さは、「オモリの平均負荷」で表され、20号、25号、27号、30号、33号、35号、40号などと表示されています。メーカーによっては、英文字で、AXとかBX、EX・・などの記号表示もあります。また、サオの何処かに必ず、25−405とか、CX−425とかで、長さと強さが表示されているはずです。平均負荷とは、例えば、25号の表示なら、通常の投げ方で、その前後の23号から27号位までのオモリに適しているサオと考えてください。

?サオには3本(トップ、二番、元)のピースを継ぐ「並継ぎザオ」と、元ザオに収まってしまう「振り出しザオ」の二種類があります。余ほどの遠投を要しないならば振り出し竿で充分です。その方が場所を異動するときや、持ち運びに便利です。

?ここでは、長さは3.6mか4.1m、強さは25号か30号の範囲の組み合わせで選ぶこととし、実際に釣具店で振ってみて、自分の身長や腕力等からの感じをつかんでから決めてください。

  (2)リール(スピーニングリール)
?リールも色々ありますが、「投げ釣り専用」のスピーニングリールを選んでください。ミチ糸を巻くところを「スプール」といいますが、この構造によって飛びが違ってきます。投げ専用のスプールは、スムーズにミチ糸が放出されるように、溝が浅く多くはコップを伏せた形をしています。

?買うときは、自分が使うミチ糸の太さが、スプールに丁度200m巻けるものを選んでください。長く本格的にやる気なら、上級品を選んでください。値段は高いなりに性能も良く、予備のスプールも付いています。釣具店には旧型のものもあり、それらは買い得です。

?リールには、右巻きと左巻きがあります。利き腕で、サオとリールの基部を支えて投げ、余った手でハンドル操作をします。右利きならば左ハンドルを選んでください。最初のハンドリングはやりにくさを憶えますが直ぐになれます。

(3)ミチ糸(ライン)
?ミチ糸は、一般にナイロン系、フロロ系、ポリエステル系(PE)の三種類がありますが、細くて、丈夫で、アタリが抜群に良い「PE」ラインを選びましょう。価格はナイロンの数倍もしますが、それだけの価値はあると思います。太さは1号、1.5号、2号の中から選んでください。長さは200mが標準です。予備のスプールがあれば異なった太さのラインを巻いておくと良いでしょう。投げ釣り専用のラインは25メートル毎に色が違った色で染められており、4色で100メートル、これが2回で一巻200メートルとなっています。投げた距離を示すのに投げ釣りでは7色投げたとか、3色で喰ったなどと言いますが、これは25メートル×○色の距離なのです。憶えておいてください。

?一つだけ注意があります。ラインとチカラ糸が一体になった「テーパーライン」は買わないでください。チカラ糸はミチ糸と結んで使いますが、根掛りしたときは、その結節点が安全弁として切れてくれるのです。しかし、チカラ糸が一体となったテーパーラインでは、とんでもない高い位置などで、ちょっと弱った部分で切れたりしてしまいます。高価なラインが一発でオジャンになったりしてしまう危険があるからです。

(4)チカラ糸
?投げる際には、ラインに指先をかけて投げます。そのとき、細いミチ糸に指をかけて投げたらどうでしょう。細いラインは直ぐに切れてしまったり、ラインで指を切ってしまう危険もあります。そこで、オモリを振り切る瞬間に加わる力に耐えられるように、力が加わる部分が太く、ミチ糸と結ぶ側が細くなっているテーパー状となった「チカラ糸」が必要なのです。

?長さは13〜15m位で、ナイロンのものとPEがあります。本当はPEをお薦めしたいのですが、余りにも価格が高いので、ここではナイロン製で我慢しましょう。5本巻きとか10本巻きで売っていますが、取りあえず、12号(太い部分)〜2号(細い側)の「テーパー・チカラ糸」を買ってください。なお、PEが欲しいというのならば、太い部分が5号で、細い側が1.0号とか1.5号とか、既に買ったミチ糸と同じ太さのものを選んでください。

(5)オモリ(テンビンオモリ)
?オモリとテンビンは、元は別の物でしたが今は一体になっているものが主流です。また、種類や形、重さのものが多種あります。代表的なものとしては、オモリとテンビンが一体化した「固定式」のL型テンビンオモリ(富士・海草、ムクといわれるもの)や、「半遊動式」の富士ジェットテンビンオモリなどです。また、オモリとテンビンが別々になった湘南スペシャルなども最近人気があります。

?さて、ここでは、たくさんある中で一番普及している富士工業の「L型・海草テンビンオモリ」と、「ジェットテンビンオモリ」を選びます。取りあえず、20号、23号、25号、27号を数個づつ買ってください。

(6)スナズリ(ヨリ糸)
?これは正直言って無くてもかまいませんが、経験から見てお勧めするものです。これはテンビンの先に付ける30センチ位のヨリ糸で、その下に仕掛けを結びます。固いハリガネのテンビンと極細の幹イトとの間にあって空中でバランスを取ったり、回転する仕掛けのカラミを防ぐ役目をします。

?1.5号位のナイロン糸を自分で拠ってもいいのですが、市販品に硬めのホンテロンというナイロン糸でよった「1.2号×3本・ヨリ糸」があります。これを30センチ位に切って上部に20号位の「フック付きサルカン」を、下部には22号位の極小「サルカン」を付けて完成です。場合によっては、上部のフック付きサルカンは付けずに、テンビンに直付けしてもかまいません。

(7)仕掛け巻き
?仕掛けは、基本的には自分でオリジナルなものを作るものです。作った仕掛けのハリをサビさせたりしないように、また、使う時に取り出しやすく、使い易く整理しておく用具が「仕掛け巻き」です。ハリの種類やラインの種類、ハリの大きさや数など、それぞれに分けて整理しておきます。

?仕掛け巻きは色々とアイデア商品が市販されていますが、自分で工夫するのもよいでしょう。例えば、硬めのボール紙を1×5センチ角に切って、切片をたくさん造っておきます。これに、作った仕掛けを一つずつ巻き、種類別に名刺の空き箱などに入れて整理するのです。また、カラになったイト巻きに、紙テープと重ねながら順に巻き込むなどの方法もあります。

(8)仕掛け(ハリス=幹イト+枝ス+ハリ)
?いよいよ仕掛けです。仕掛けは、釣り人にとって釣果を左右する一番大事なものです。また、仕掛けには絶対というものもありません。釣り人の個性が強く出るのもこの仕掛けで、暇なときに作っておきます。仕掛け全体をハリスとも呼びますが、ナイロンの「幹イト」と、ハリを結んだ「枝ス」を組む(結ぶ)だけで、実に簡単に出来るものなのです。

?最近は、シロギス投げ釣り用の優れた仕掛けが売られています。当面の間は市販品でかまいませんが、その内にきっとそれでは飽き足らずに自分で作るようになると思います。取りあえずは市販品でよいのですが、必ず投げ釣り専用の「シロギス用のオリジナル」を選んでください。買う場合には蛍光玉やチチワ作り等は避けて、なるべくシンプルなものを選んで下さい。仕掛けに使用しているラインは、幹イトが1〜2号、枝スが0.8〜1.5号、ハリは6〜7号のものが適当でしょう。

(9)エサ
?関東での投げ釣りで使うエサの代表は「ジャリメ」で、常時必要とするエサです。国内で養殖されており、いつでも釣具店やエサ屋にあります。

?その他に、「アオイソメ」、「東京スナメ」、「岩イソメ」等があり、その日の、海水の温度や潮の濁りの状況で効果を発揮することがあります。

3 常に用意しておくもの、あった方が便利なものの選び方

投げ釣りに直接必要な道具を掲げましたが、釣行するには、この他にも常備しておきたいものや、あった方がより便利だというものが沢山あります。上記に列記したものの中で、若干説明しておいたほうが良いものを選んでみます。
(1)サオ立て
?サオ立ては、クーラーボックスの側や海に向けて立てます。ちよっとサオを立てかけたり、「待ち釣り」などの時には、無くてはならないものです。

?ステンレス製の錆びにくく、しっかりしたものを選びましょう。

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(2)クーラーボックス
?魚を釣っても保管するところが無ければ困ります。特に夏場はアイスクーラーが無ければ、折角釣った獲物が痛んでしまいます。保冷力のあるものを選んでください。

?クーラーボックスは、オモリや仕掛けなどの小物入れがあったり、エサ箱やサオ置きが付いたものが便利です。出来るだけ、それらが付いた「投げ釣り専用のクーラーボックス」を求めてください。

(3)ゴミ袋
?持ち込んだゴミを持ち帰るために絶対に必要です。朝、コンビニに寄った際、もう一枚、余分にポリ袋をもらうと良いでしょう。

?その袋をボックスクーラーに取り付けられるように、クリップなどをセットしておくと便利です。

(4)エサ箱
?エサ箱は中に仕切りの付いたものが良く、二つ用意したいものです。一つは、買ったエサをクーラーに保管するものです。もう一つは、常時使うエサを小出しにするもので、クーラーにセットして使うものです。

?出来れば、両方とも木製を選んでください。エサを元気に生かしておくには木製にかないません。

?クーラーにセットするエサ箱は、3〜4つの仕切りがあるとベターです。何種類かのエサと「石粉」を分けて入れられます。
(5)指サック
?投げる際にチカラ糸を支えるための、指にはめる皮革などで出来ているサックです。ただし、よほどの遠投でもしない限り不要です。慣れれば、指の痛さなどさほどでなく、指先から伝わる投げの感覚の方がより大切だからです。

(6)サルカン(スイベル)
  ?サルカンは、オモリや仕掛けが飛んでいく際に生じる回転をうまく調節するものです。小さなものから大きなもの、フック付きのもの、3本足のものなどがあります。号数が大きくなるほど形は小さくなります。

?チカラ糸に結びオモリを付ける場合は、フック付きの4号から8号位の大型の、丈夫なものを揃えてください。

?仕掛け、またはヨリ糸に付けて使う場合には、小型の22号位のフック付きと、24号位の普通サルカンを選んでください。

(7)石粉
?エサのジャリメなどはヌルヌルして掴みくいものです。石粉は字のように石のコナで、元々は工業用の研磨剤です。ノコギリ粉を使っている人もいます。

?使うエサに少々振りかけることによって、エサが滑らず「ハリ通し」がグット楽になります。何処にでも売っているものではありません。湘南の投げ釣り専門の釣り具店で求めてください。

(8)道具入れ
?投げ釣りでは、「シロギスは足で釣れ」の格言があります。余計な荷物はなるべく少なくすることは云うまでもありませんが、それでも必要なものが結構あります。そこで必要なのがツールボックスです。

?しかし、ボックスは意外と邪魔者になります。コンパクトに仕舞うには、布製のカバンかリュックサックが一番です。最近は、ポケットがたくさん付いたよいものが市販されていますが、釣り具屋にはあまり置いてないようです。

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(9)防寒具
?釣りは自然の中でのスポーツです。遮るものも少なく、気温が変ったり、風が出たりと、始終、外気の状況が変ります。夏であっても釣行時には必ず一枚、余分に風を通さないようなジャンバーなどを用意してください。 

(10)サングラス
?サングラスは、人相が悪くなるから嫌だという人、単に日差しが眩しいからかけるという人が案外多いものです。しかしそれは間違いで、将来の白内障とかの目の病気を予防するのだとマジメに考えてください。
UVカットのものや偏光グラスなど、なるべく良質なものを選んでください。





 今回の釣り名人は、シロギズ釣りの道具編を紹介しました。
次回も高沢鱚介氏のシロギス釣りを引き続き紹介したいと思います。

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キス釣りの基本

2010 年 4 月 27 日 Comments off

楽しい投げ釣り ―シロギスへの挑戦―

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スズキ目キス科キス属


「投げ釣り」ってどんな釣りだろう
1 海釣りにはどんな種類があるの?

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海釣りの種類には、船による「沖釣り」、岩場や岩礁上からからの「磯釣り」、堤防や波止場で行う「堤防釣り(波止釣り)」などに分けられ、これは、釣る場所を捉えて釣りの種類を区分したものです。また、釣る場所が異なるということは、そこに棲む魚の種類も当然異なります。釣り人達は自分の釣りたい魚を目標に、ウキを使ったり、トローリングで釣ったり、電動リールを使って1000メートルもの深い海に挑んだりと、目指す魚を相手に色々な道具や釣法を用いて釣ります。従って、これら一つ一つが釣りの種類にもなるし、直接、タイ釣り等のように、魚の名前をそのまま釣りの種類としてしまうことも多いのです。このように、釣りとは、可也いい加減さがありますが、反面、この曖昧さが釣りそのものを楽しくしているのかも知れませんね。

2 投げ釣りは磯釣りの仲間なのか!

さて、本題の「投げ釣り」ですが、「投げ釣り」を広義に捉えると、「磯釣り」の仲間に入るかも知れません。しかし、投げ釣りを単純に場所で決めたような云い方は適切ではないと思います。 
投げ釣りは、何といっても「シロギス」が本命だからなのです。このシロギスは砂や砂利層が広がる海底スレスレのところを、群れを作ってエサを求めながら泳いでいます。従って、釣りの方も、「ジャリメ」などのシロギスが好むエサの付いた仕掛けを海底に沿って、ズルズルと引いたり止めたりしながら、いわゆる「サビいて釣る」釣りだからです。投げ釣りは、投げる場所が岩場でも堤防でも、何処でも構いません。ただし、投げた先で「根掛かり」してしまうような「磯」では釣りにならないのです。このように、「投げ釣り」は場所を指した呼び方でなく、「投げて釣ることができる釣り」として、一つの独立したジャンルを形成していると云うのが正解でしょう。

投げ釣りの基本は砂浜だ!

投げる場所は何処でもいいと云いましたが、これはベテラン達の話です。何と云っても「投げ釣り」の基本は「砂浜」です。慣れない人が 磯場なんかで投げれば、その瞬間に後ろに垂らした「仕掛け」が引っかかってしまう筈です。湘南などの砂浜海岸なら、投げる場所も海底も砂浜ですから安全ですし、直ぐ波口まで「サビく」ことも出来ます。実は、本格的な投げ釣りの歴史は、未だ50年位とそれほど古くはありません。湘南の大磯海岸に始まった釣りだと云われますが、今では気軽さも手伝って全国に広がっています。また、各地に投げ釣りクラブがあって、全国的な組織もあります。これから釣りを覚えるにも、色々な海岸に遠征するにも釣りクラブに加入するのが近道でしょう。身近なクラブに入ることを是非お勧めします。

投げ釣りはスポーツだ!

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投げ釣りの人気を探ってみましょう。実は、投げ釣りは、単に「静かな釣り」でも「あそびの釣り」と云う事ではありません。投げ釣りは、全身を使って強い動きを必要とする「投げる動作」と、静かに相手を誘って「釣る」と云った「動と静の二つの世界」をマスターしてこそ、始めて一つの釣りになります。このように、多くのスポーツに要求される用件を備えた、歴然たる「スポーツ」の世界に位置付くものなのです。特に、投げることでは、安全性や正確性とともに、いかに遠くに投げるかなどを競う「キャスティング競技」があり、200メートル以上も投げる豪腕の持ち主すら居ます。驚いたことに、今ではこのキャスティング競技は、世界大会まで開催されているのです。将来、オリムピック競技になったら良いですね。
この他、投げ釣りの良さは、安直に釣行出来ること、環境に優しい釣りであること、釣った魚が美味しいことなどがあります。しかし、何といっても一番の魅力は、「投げることも、釣ることも難しい。」というのがベテラン達の共通した認識だと思います。

30センチ以上の大型シロギスを「まぼろしの尺ギス」と言う?

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シロギスの大きさは、20センチ前後がレギュラーサイズです。また、秋には「ピンギス」といって10センチ位の小ギスがたくさん釣れます。しかし、釣り人の多くは日本記録と言われる「36.4センチ」を破ろうと一発狙いで幻の「尺ギス」に挑んだり、「束釣り(100尾)」以上を狙ったり、一投で数尾をまとめて釣ってしまう「連釣り」を目指したりしています。そしてベテランの多くは、その日の「釣行」にそうした目標を絞り仲間達と競い楽しんでいます。また、「釣果(ちょうか)」を、「尾数(びすう)」や「大きさ」、「重さ」などで競う、「投げ釣り大会」が各地で開かれ賑わっています。腕を磨く積りでそうした大会に参加するのも良いものです。

魚の気持ちが一番解ってくれるのは釣り人?

さて、大切なことを一つお願いしておきます。簡単なことですが守られていないことも事実ですから、この際、敢えて申し上げておきたいのです、これは釣り人の義務だと心に命じて釣行してほしいし、また、普段の生活の中でも意識して行動して頂きたいのです。
一言で云えば、「海や海岸を汚さないこと。魚をいたわること。」です。楽しく素晴らしい釣りができるのは、そこに元気な魚が居るから出来るのです。我々人間だって、環境が悪く汚れた空気の中では病気になってしまいます。人間なら、薬を飲んだり医者に掛ったり、住む場所をかえたり・・でも、更に汚染が広がり環境が悪化すれば、やがては他の生物とともに死に絶えることでしょう。
魚達はどうでしょう。環境の整った海なら、釣り人が少々余分に釣ったとしても自然の力で「再生産」され続けることができるのです。しかし、海が化学物質等で汚染され、魚体を侵し始めたらどうでしょう。病気になっても魚の医者なんか居ないし、魚は人間みたいに強くはありません。悪い環境から逃れて住む場所を移動したとしても、そこは今迄居た所と違い、エサも無く、水温や水圧の変化で棲息することは出来ないでしょう。
いま、人間社会では地球規模で環境を守ろうと努力しています。人間が食料とする大切な魚も守らなければならない状況が来ているのです。ですから、魚のことを一番知っている釣り人の一人一人が今の環境問題を知り、小さなことでよいから一つずつ改善に向かって行動することが大切なのです。

ゴミを捨てるな!不要な魚は逃がしてやろう!

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そこで、具体的にお願いしたいことが二つあります。一つは、海を汚してしまうゴミを絶対に捨てないこと。残さないで持ち帰ることです。特に問題となるのは、化学的に作られたビニール製品やプラスチック製品です。また、殺虫剤やシャンプーなどの化学薬品は魚にとって毒薬です。これらは、河川に投棄され海に流れ出るものが殆どですから、私たちは日常生活の中で常に感心を持ち、未然に防ぐよう関与していくことが必要です。
二つには、生ある魚は生き物であると云うことです。投げ釣りでは、釣るシロギスは食べることも目的の一つであると思います。しかし、いわゆる「外道」と云われる目的外の魚で不要なものは、例え、毒魚であってもリリースしてやりましょう。 第一、毒魚だなんて決め付けることはありません。恐らく、これ迄の歴史の中で、魚が陸に上がり人間に悪さを仕掛けたなんてあるはずは無いのです。人間がかってに毒魚だと裁判を下してしまったのです。捨てる魚だ、毒魚だと云われた魚を釣ってしまった彼方!じっと魚の顔や体を見て御覧なさい。天は実に素晴らしい生き物を我々の地球に与えてくれたのか・・分かる筈です。

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最後に!!
 私たちは、やがては自分達の子供や孫子に色々なことを引き継ぎます。その中の一つに、今以上に綺麗な海で、魚が沢山いて、もっともっと楽しい釣りを受け継ぐことが出来たら最高です。皆で努力し、そんな環境づくりに取り組んでいきましょう。ここに、皆さんが一人の釣り人として必ず努力してくれることを期待してやみません。

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今回は、神奈川県平塚市在住の高沢鱚介氏が
キス釣りの基本をお届けしました。

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西湘のキス釣りの古き良き時代

2010 年 4 月 1 日 Comments off

シロギスに魅せられて  

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シロギス ズズキ目キス科キス属

還元・・古き時代を偲びながら・あなたに

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 私の専門領域は、投げ釣りによるシロギス釣りである。
投げ釣り発祥の地である西湘の二宮海岸で、育ちながら覚えた釣りで、彼これ40数年が経つ。
古き時代の頃をときおり書くのだが、すっかり変わってしまった今の環境の中で、何でそんな古い戯言を・・という方がいる。
 しかし、良き時代のことを語らずに居られない訳がある。
何故ならば、釣れないこと、魚が少ないことなどを当然のこととして受け止めてしまっている若者の、その馴らされてしまった姿がおぞましいからだ。

海は元来、もっともっと豊かで、活力に満ちているもの。文明の裏側の矛盾に気付かず発展した20世紀のツケが、地球上で一番広く大きい自然環境の浄化装置である「海」までを汚染し、あらゆる生命体に悪影響を与えている。それらの実態は多くの学者が指摘し、改善に取り組んでいる。
学者先生方は難しく表現するが、多くの釣り人はもっと単純に、しかも正確にその事を理解している筈だ。「魚が釣れなくなった、魚が居なくなった、赤潮が、青潮が、・・まさに環境汚染に違いない」と言ったように。
体験上、海を一番身近に知っているのは釣り人なのだから、そうしたことをヒソヒソと陰で語らずに、もっと声を大にして叫んでみたらどうだろう。
一方、釣り人が環境を破壊していると指摘する声がある。
 確かにマナーの悪さは否めない。
しかし、釣り人が環境破壊をしているなどと、大げさに言われることは無い。
良識ある多くの釣り人は、今や身辺の環境改善に誠意努力し行動している。 
 
 汚染された水の終末処理を担わされた海は、今や瀕死の状態にある。だが、人間の知恵と努力で、時間は掛かろうとも必ずや治癒できる筈だ。
21世紀は地球規模で環境の時代と云われ、わが国でも政経産学が協働してこれに向かいつつある。まだ、それほど関心を持たない釣り人にお願いしたい。
釣り人として出来る行動はあまりにも小さいが、身近なことからでよい、具体の行動をしてほしい。

  • 釣り場にゴミを捨てない。
  • 多量なコマセは撒かない。
  • 不要な殺生はしない。

そんなことから実践してみてほしい。頭で解っていても行動が伴わない・・それでは困るのだ。
しかし、そうした初歩的な入り口に馴染んでさえしまえば、後は自分の家庭や地域、さらには社会システムの中に潜んでいる多くの環境問題に気付くだろう。是非、お互いにがんばって改善の輪を広げて行こうではないか。 

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さて、40数年前の西湘の海はどうだったのだろう。
それは美しく、透明で、シロギスの旬には、40〜50メートルの距離で、平均サイズ20センチ級が、半日釣って30数尾は堅かった。
素もぐりで魚を追いかけたこともある。
背後の斜面は黒松林、砂浜は広く白砂で覆われていた。


今,西湘バイパスが通ってしまった土地には、野バラやハマエンドウ、ハマヒルガオやボウフが咲き、秋グミや野ブドウが実っていた。そしてチドリやアオジなど多くの小鳥達が巣造りし、声高らかにさえずっていた。
そんな釣りを今思い出す。
 若者たちよ!これからは少しずつ満足した釣りが出来るようになるだろう。
 しかし、それを単に偶然だと喜ばず、自分が行動した見返りだと考えるようにしてほしい。
あなた方が還暦に達し、あなた方の子供たちや孫たちが釣りをする頃には、私自身が楽しめた古き良き時代以上に、素晴らしい釣りが出来るようになるだろう。
傷付き、老いてしまった母なる海には、愛を持って報い、若返えさせてあげたい。
ずうっと永遠に、魚との戯れが続けられるように・・これからも努力したい。

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今回は、神奈川県平塚市在住の高澤鱚介氏が
西湘のキス釣りの古き良き時代の想いをお届けしました。
次回から高澤鱚介氏のシロギスシリーズをお届け致します。

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シロギスに魅せられて 

2008 年 11 月 10 日 Comments off
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神奈川県平塚市在住の高澤鱚介氏が
西湘のキス釣りの古き良き時代の想いをお届け致します。!

シロギスに魅せられて  
還元・・古き時代を偲びながら・あなたに

画像(143x44)

シロギス ズズキ目キス科キス属


画像(180x124)・拡大画像(300x208)


 私の専門領域は、投げ釣りによるシロギス釣りである。
投げ釣り発祥の地である西湘の二宮海岸で、育ちながら覚えた釣りで、彼これ40数年が経つ。
古き時代の頃をときおり書くのだが、すっかり変わってしまった今の環境の中で、何でそんな古い戯言を・・という方がいる。
 しかし、良き時代のことを語らずに居られない訳がある。
何故ならば、釣れないこと、魚が少ないことなどを当然のこととして受け止めてしまっている若者の、その馴らされてしまった姿がおぞましいからだ。

 
 海は元来、もっともっと豊かで、活力に満ちているもの。文明の裏側の矛盾に気付かず発展した20世紀のツケが、地球上で一番広く大きい自然環境の浄化装置である「海」までを汚染し、あらゆる生命体に悪影響を与えている。それらの実態は多くの学者が指摘し、改善に取り組んでいる。
学者先生方は難しく表現するが、多くの釣り人はもっと単純に、しかも正確にその事を理解している筈だ。「魚が釣れなくなった、魚が居なくなった、赤潮が、青潮が、・・まさに環境汚染に違いない」と言ったように。
体験上、海を一番身近に知っているのは釣り人なのだから、そうしたことをヒソヒソと陰で語らずに、もっと声を大にして叫んでみたらどうだろう。
一方、釣り人が環境を破壊していると指摘する声がある。
 確かにマナーの悪さは否めない。
しかし、釣り人が環境破壊をしているなどと、大げさに言われることは無い。
良識ある多くの釣り人は、今や身辺の環境改善に誠意努力し行動している。 
 
 汚染された水の終末処理を担わされた海は、今や瀕死の状態にある。だが、人間の知恵と努力で、時間は掛かろうとも必ずや治癒できる筈だ。
21世紀は地球規模で環境の時代と云われ、わが国でも政経産学が協働してこれに向かいつつある。まだ、それほど関心を持たない釣り人にお願いしたい。
釣り人として出来る行動はあまりにも小さいが、身近なことからでよい、具体の行動をしてほしい。

釣り場にゴミを捨てない。
多量なコマセは撒かない。
不要な殺生はしない。

そんなことから実践してみてほしい。頭で解っていても行動が伴わない・・それでは困るのだ。
しかし、そうした初歩的な入り口に馴染んでさえしまえば、後は自分の家庭や地域、さらには社会システムの中に潜んでいる多くの環境問題に気付くだろう。是非、お互いにがんばって改善の輪を広げて行こうではないか。 


 さて、40数年前の西湘の海はどうだったのだろう。
それは美しく、透明で、シロギスの旬には、40〜50メートルの距離で、平均サイズ20センチ級が、半日釣って30数尾は堅かった。
素もぐりで魚を追いかけたこともある。
背後の斜面は黒松林、砂浜は広く白砂で覆われていた。


今,西湘バイパスが通ってしまった土地には、野バラやハマエンドウ、ハマヒルガオやボウフが咲き、秋グミや野ブドウが実っていた。そしてチドリやアオジなど多くの小鳥達が巣造りし、声高らかにさえずっていた。
そんな釣りを今思い出す。
 若者たちよ!これからは少しずつ満足した釣りが出来るようになるだろう。
 しかし、それを単に偶然だと喜ばず、自分が行動した見返りだと考えるようにしてほしい。
あなた方が還暦に達し、あなた方の子供たちや孫たちが釣りをする頃には、私自身が楽しめた古き良き時代以上に、素晴らしい釣りが出来るようになるだろう。
傷付き、老いてしまった母なる海には、愛を持って報い、若返えさせてあげたい。
ずうっと永遠に、魚との戯れが続けられるように・・これからも努力したい。

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