アーカイブ

投稿者のアーカイブ

アオリイカ基本編

2011 年 7 月 1 日 Comments off

体色は興奮すると華麗に変化。グルメ度も数多いイカの仲間の中でも最右翼。初夏には大型、秋からは中型。

画像(137x40)

ツツイカ目ジンドウイカ科

評価が低いのは食わず嫌い

画像(300x168)

アオリイカは胴の両側いっぱいに丸みを帯びた大きな鰭を持っている。上から見るとスミイカやモンコウイカなどによく似ているが、コウイカの特徴である石灰質の硬い甲は持っていない。スルメイカなどと同じキチン質の軟骨を持ちツツイカの仲間だ。
 そしてスルメイカの目はむき出しの「開眼」だが、アオリイカはヤリイカなどと同じ「閉眼」で目は透明な膜に覆われている。

画像(253x300)

 種の固定の目安となるわ腕長式は「3・4・2・1」。ちなみにヤリイカは「3・2・4・1」だが、同じ閉眼のアオリイカ、ヤリイカ、そしてケンサキイカは兄弟のように近い仲間だ。
 ここでアオリイカの”戸籍”をまとめておこう。
 軟体動物門→頭足類→二鰓亜綱→ツツイカ目→閉眼亜目→ジンドウイカ科(ヤリイカ科)→アオリイカ(Sepioteuthis Leesoniana)。
 暖かな海に広く棲んでいて中東の紅海やオーストラリア西岸を含むインド洋、そして西太平洋などの亜熱帯から温帯にかけての暖海の深さ100m以内の沿岸の浅海に棲んでいる。

画像(300x320)

日本列島の北海道にもいるが少なく、本州の太平洋側は鹿島灘から、日本海側は福井県から西、特に四国、九州、沖縄に多く見られる。
 晩春から初夏にかけて、岩礁が散在して藻が茂る浅海に卵を産みつける。成長は早く、ふ化した幼生は秋には胴長20cm余り、冬を迎える頃には30cm余りにも育つ。
 ほかのイカ類と同様にアオリイカも夜行性で特に日没、夜明けの”マズメ”は活発に行動する。頭部腹側の筒(漏斗)の向きを変えることで前進、後退、回転を素早く自在にこなし、ゴムのように長く伸びる2本の触腕でエビや小魚などを捕らえて胴長45cm,4kg余りに育つ。

<<引きは強く、グルメ度も抜群>>

画像(180x89)・拡大画像(295x147)
画像(180x91)・拡大画像(295x150)

背面にオレンジや黒っぽい褐色の色素胞を持っていて、普段はほとんど透明だが興奮したりすると褐色にグリーンやブルー、オレンジなどを混ぜ合わせたような実に複雑、華麗な体色に変化する。雄は細かい横縞、雌は白っぽいスポットで性別は一目でわかる。特に目の周りはエメラルドグリーンに妖しく輝き、息を呑む美しさだ。
 このアオリイカ、グルメ度も数多いイカの仲間の中で最右翼。市場性は時にマダイに勝っている。しかし釣りの相手としての評価は正直なところさほど高いとは言えない。その原因の多くは”食わず嫌い”で、「イカは魚のように引かないから」と一度もトライせずに敬遠する人が多いのだが、実際に一杯でも釣り上げると、その引きの迫力、取り込みまでの緊張感、華麗な姿態、そして抜群のグルメ度の虜となってしまうだろう。

ローカル・ネームは多彩で房総や三浦などで「アオリイカ」。三浦の一部や高知などでは産卵のために藻場にやってきて釣れるところから「モイカ」。普段平和に泳いでいるときは透明に近い体色なので鹿児島など九州各地や瀬戸内海地方で「ミズイカ」。大きな鰭がバナナの葉のようなので伊豆方面で「バショウイカ」。胴が靴の形に似ているので紀州の一部で「クツイカ」。このほか「バカイカ」「タチイカ」「シロイカ」などと呼ぶ地方もある。

<<肉食性で夜釣りが有利>>

ここでアオリイカの習性や食性等から釣りのポイントを絞り込んでみよう。
?イカ、タコ類に共通する”真水嫌い”なので川水が注ぎ込む湾奥の海には棲まない。外洋に面した塩分濃度が高い磯周辺や水深40m以浅の岩礁底や砂地に岩礁が散在するような海域を好む。
?産卵は4~7月にかけ、浅海の藻や岩礁に産み付ける。
 この初夏の頃は親である大型が高い率で釣れるが、孵化した子は秋には20cm余りに育ち、冬には30cmにも成長して餌を追う。初夏は大型、秋から中型が数多く釣れるシーズンだ。
?好物はエビや小魚など。完全な肉食性でシバエビ、クルマエビ、イセエビなどあらゆるエビ類のほか、磯や岩礁底に棲息するベラ類、ハギ類、ヒメジ類、小メジナ、ギンポウから小アジまで、さまざまな小魚を貪欲に襲う。
 ちょっと極端な言い方だが生きている小魚なら何でも飛びつくし、ルアーにも敏感に反応する。このアオリイカ専用のルアーは「餌木」といい、古くから日本で生まれはぐくまれてきた。
?夜行性なので夜釣りが有利。特に凪の月夜がチャンスで満月の前後、陰暦の各月8~22日にかけての上弦→満月→下弦の半月間が狙い時。

<< 餌   木 >>

画像(115x180)・拡大画像(193x300)

銅貨の天保銭をオモリに使った餌木が現存しているところから、江戸時代にはすでに開発されていたと推察されるアオリイカ用日本独自のルアーが「餌木」。
 クサ木、アマ木などの木を全長15cm程度のエビ、小魚型に成型、古くは焼いて模様をほどこしたうえ、尾部にハリ、胸にトリの羽根やシュロの繊維などで胸鰭、ビーズ玉などで目、腹前部に銅貨やナマリなどのオモリを装着し、頭を下にゆらゆら沈降するように調整した。

画像(320x146)・拡大画像(595x272)

白木のままで長時間水に浸すと浮力を失い性能が低下するため、やがてニスやエナメルなどの塗料で彩色されるようになった。
 さらに最近では木やプラスチックのボディに赤などの光るプラスチックシートを張り、その上から化学繊維を粗く織った多彩な折り柄と模様の布で覆った餌木が主流となっている。
 ハリ(カンナ)は2段で根がかりを配慮して背部のみに6本ずつ計12本装着したもの。前後5本ずつ10本バリを360度均等に装着したものや笠型に曲げた14本バリを2段装着したものなどがある。目は赤ビーズ玉を真鍮釘で留めたものが多いが、蛍光ビーズやガラスの人口目、模造真珠などを取りつけたものもある。

画像(180x133)・拡大画像(300x223)

また1993年頃よりボディを2分して尾部がゆれるよう設計された「ジョイントタイプ」も登場している。いずれにしてもこの餌木はまず、釣り方に応じた特性のものを選ぶことが大切だ。つまり、キャスティングやトローリングは水に浮かべると頭をやや下に向けてゆっくりと沈むもの、沖のシャクリ釣りには頭を下に急な角度で沈む餌木が望ましい。
 さらに色は大変重要な要素で、潮色によって、昼か夜か、日没前後か、おぼろ月夜か、明るい満月か、闇夜かなどによりブルー系がよかったり、グリーン系にばかりヒットしたり、明色系にイカの人気が集中したりするので、出漁の際は少なくとも数種類の色が異なる餌木を持ち込みたい。
 今回の釣り名人は、アオリイカ釣りの基本を紹介しました。


画像(100x122)

服部善郎

神奈川県茅ヶ崎市在住の
服部善郎氏が
アオリイカ釣りの基本をお届け致しました。

カテゴリー: アオリイカ タグ:

投げキス釣りの実釣編

2011 年 6 月 15 日 Comments off

 楽しい投げ釣り ―シロギスへの挑戦―

画像(143x44)

スズキ目キス科キス属

? いよいよ実釣です

どんな釣りでも、釣行の時だけが釣りではありません。今日の釣りから帰ってから、もう直ぐに、次ぎの釣行に向けた仕度が始まっていると云っていいでしょう。このように聞くと、釣りって大変なんだなあ!と思うかも知れません。しかし、言い換えると、それだけ何時も楽しめるものなのだ!とも言えます。ここでは、釣りの仕度からはじめて、実際に釣ること、帰ってからやっておくことを手順を追って説明します。
 
(1) 釣行前日の仕度です
? 先ずは誰と、何処に行くのか。交通手段や待ち合わせ場所は? お弁当や飲み物は?・・等などを確かめます。また、家族の人にも、これらのことをしっかりと伝えておきましょう。
? つぎは、明日の天候はどうだろうか? 釣り道具は揃っているか? 仕掛けは十分か? チカラ糸とミチ糸のつなぎは傷んでいないか?・・等、道具のチェックをしておきます。
? 最後は、自分が行こうとする釣り場の情報がほしいですね。友達やベテランの人、あるいは、ホームページや、行く近くの釣り具屋さんにエサの有無などと合わせて電話することなども方法です。そして、目覚まし時計の時刻を合わせて早く寝ましょう。

画像(300x193)

(2)釣行の当日です
?顔を洗って、ご飯をしっかり食べて、トイレに行って・・かんぺきな体調で出発です。途中で釣り具屋さんに寄って、海の状況や釣れ具合などを聞きながらエサを購入します。エサは「ジャリメ」です。一杯で充分でしょう。

?海岸に着き釣り座を取ります。
・先ず、釣り場所を決めますが、「釣り座」は、波が寄せた跡や「上げ潮」などから判断して、波をかぶらない位置に取ります。後は、持ってきた荷物が砂をかぶったり埋もれたりしないように、整理して置いてください。
・仲間や、すでに先行者がいる場合は、サオを振れるだけの間を取ってください。これを「サオ間」を取るといいます。
・ここで注意です!! リールやサオを砂の上に絶対置いてはいけません。特に、リールが砂をかむと大変なことになってしまいます。
・ 最初にするのは、サオ立てをクーラーボックスの近くか、釣り座の前側にしっかりと、倒れないように立ててください。サオは取りあえずそこに立て掛けておきます。

画像(220x320)・拡大画像(300x436)

?道具をセットします。
・釣り座を決めたら、次は道具のセットです。先ず、サオをつなぎます。順番は「トップザオ」と「二番ザオ」から、それから「元ザオ」です。「ガイド」から「リールシート」までが真っ直ぐに通るようにガイドの穴をのぞきながら、また、ゆるみが無いようにしっかりとつなぎます。
・「リール」です。リールシートにしっかりとはめ込んで留め金を固定します。
・次は、ガイドにイトを通します。サオをサオ立てに低く置いてください。リールの「ベール」を起こして、チカラ糸を引き出して先端をガイドに通していきます。
・通し終えたら、チカラ糸の先端に大きい方の「スナップ付きサルカン」を結びます。
・スナップ付きサルカンを開き、オモリを着けます。オモリは「L型テンビン」でも「ジェットテンビン」でもかまいません。ジェットは前後の方向を間違いないように正しく着けてください。スナップは確実に閉じてください。

?仕掛けをセットします。
・テンビンの先端に「砂ズリ」を付け、砂ズリの先端の「サルカン」に、仕掛けの幹イトを通して結んでください。
・「仕掛け巻き」から仕掛けをほどき、ラインの前後を持って強めに引いて「ヨリくせ」を取ります。
・サオを持ち、リールのベールを戻します。そして、ゆるんだチカラ糸を、サオを持った手の指(親指と人指指)でつかみながら、「スプール」に巻き取ります。終わったら、クーラーボックスのサオ置きにサオを置いてください。

画像(300x214)

?エサの準備をします。
・エサを「保管用のエサ箱」に移し、できれば海水で洗ってやってください。そして、もう一つの「小出しのエサ箱」に、適当に少しだけ取り出しておい置いてください。保管用のエサ箱は陽に当たらないようクーラーにしまってください。
・合わせて、「イシ粉」も出してください。イシ粉が無ければ、付近にいくらでもある細かい乾いた砂でもかまいません。

?ハリにエサを付けます。
・エサの付け方は、エサの種類によっても、釣りの状況によっても、その時々によって違います。ここでは、一般的な「ジャリメ」を使います。
・基本的な使い方としては、図のようにハリを真っ直ぐに通し、ハリいっぱいの所でハリを返します。
・エサは、ハリ下0.5〜1.5センチ位で切ります。
・これを「タラシ」と言いますが、あまりタラシを長くしたままで遠投したり、乱暴な投げ方をするとエサが切れて飛んでしまいます。
・ジャリメの場合、一匹づけをする場合がよくあります。この時は、ハリを頭から刺して体上部の黒い部分からハリ先を抜きます。かなり強く投げても切れる心配はありません。
・湘南海岸で通常使う、もっともポピュラーなエサはジャリメですが、気温が下がったり、水が濁ったりしたときは青イソメの方が良い場合があります。この他には「東京スナメ」や「岩イソメ」などがあります。

画像(300x199)

(3)投げる練習です
?さて、これからいよいよ投げ釣りの本番なのですが、その前に投げる練習をしておきましょう。キャスティング競技ではルール化された投げ方がありますが、「実釣」では、その場に応じた投げ方が要求されます。

?一般的には、振り出すサオの角度から、サイドスロー、スリークォータースロー、オーバースローなどがあります。また、サオからオモリを振り出す形から、V字投法、回転投法、スウィング投法などがあります。何れは覚えなくてはなりませんが、当面は、安全なV字投法に近い形での、オーバースロー又は、スリークォータースローを覚えればよいでしょう。

?投げ釣りの基本はオーバースローです。少し慣れてくると、人間の体の特性からスリークォータースローがもっとも適した投げ方になりますが、先ずはオーバースローをしっかりマスターしてください。ここでは、理論よりも実際にサオを振って、「身体」で覚えてもらいます。

?練習は、上記の(2)の?がセットされた状態で始めてください。

(4)釣りの本番です
?さて、100メートルに投げたとしましょう。オモリが海底に届いた感触が分かりましたか? ミチ糸(ライン)がフアッと、弛んだときが着底した時です。すこしラインを張りぎみにしているときには、ストンとした感じが読み取れます。

?弛んだラインをリールに巻き取りましょう。オモリとサオ先が直線状になるようにして少しだけ、手前にオモリをずらします。これからは、オモリ以下のいわゆる仕掛けを「しばらく待っては、少しだけ手前に引く」を繰り返します。このことを「サビく」といいます。
?サビキの間隔は、その日、その時間、潮の干満、流れ、潮色、魚の濃淡などで変るといえますが、残念ながら決定的なことは誰も分かりません。はっきり云えることは、釣れる状況を維持できる釣り方、サビキ方が一番合ったものだと言えましょう。

?シロギスの喰った瞬間の「アタリ」は強烈です。ブルッブルッの最初のアタリが一番強く段々と弱まります。慣れてくると、この感じで次々と追い食いするのが分かります。

?アタリがあったら少しだけまって、確実に「ハリ掛り」しているかどうか確かめてください。アタリがあって慌てて強く、グィッとアワセル人がいますが、これは不要です。「向こうアワセ」といって、アタリがあったときには既にハリ掛りしていると考えていいでしょう。強いアワセによって、逆にハリが口から抜けてしまうことがあるからです。

?取り込みです。「リーリング」の速度は、速からず遅からず・・です。早すぎると水面上に魚が浮き上がったり、ときには水の抵抗でハリが抜けてしまいます。また、途中で止めてはいけません。特に大型の場合は急反転して頭を振り、ハリを外して逃げてしまいます。

?注意することは、波口の「カケアガリ」と「返しの波」です。カケアガリは砂利層であったり、海流の反転があったりします。また、返しの波は意外と強く、その状況で魚を強く引くと、ハリが抜けてしまいます。反転する波や、引き波のときには一呼吸まって取り込みにかかってください。

?釣れた魚がハリを飲み込んでしまっていることは以外に多くあります。「ハリはずし」を使いますが、ハリ外しを使わなくとも、指で両方のエラの部分をキュッとつかみ、枝スを持ってツンツンと引いてみてください。大概の場合は外れます。

?「クーラーボックス」には氷は入っていますか? また、魚をそのまま入れると、クーラーが汚れたり魚が干からびてしまい、後の料理で困ってしまいます。ビニール袋に海水を少しだけ入れ、濡れた状態でストックするのが一番です。

?「手返し」は早くしましょう。シロギスは群れで泳いでいます。一尾釣れたところには未だ仲間がいると考えてください。移動しないうちに次々と投入することが「釣果」を上げるコツです。
?シロギスの食う場所はその時々で違いますが、居着く場所は砂地や小石混じりの層です。また、海底に「カケアガリ」や「ヨブ」等があるところ、すじ状の「ミオ」や「ウド」ができるところに集まります。したがって、遠投できないから釣れないなどとあきらめずに、そうした所を丹念に見つけ歩いて釣ることを勧めます。

?投げ釣りでは、フグやメゴチが定番です。フグは口に気を付けてください。メゴチは小さくとも美味しく食べられます。この他にもイシモチやヒイラギ、時には、ホウボウやヒラメ、マゴチなど釣れます。何れも要らないなら必ず「リリース」(生きたままの放流)してやってください。

画像(300x198)

(5)そろそろ終了です。
?シロギスは昔から、朝夕の「マズメ」時や、潮の「満ち干の前後」が一番釣れると言い伝えられていますが、今でもそのとおりです。しかし、湘南の海岸では引き潮の時に釣れる場合が多いようですし、午後は余り良くないように思えます。一日の釣りは、早朝から昼前後までというのが一般なようです。

?そろそろ仕舞いたいと思います。道具の仕舞いは、朝、支度した順を逆にして下さい。このとき、次ぎの釣行を考えて、必ずチカラ糸とミチ糸を結び直しておいてください。
また、残ったエサを明日また使うなら、海水でよく洗って死んだものや弱ったものを丁寧に取り除いてください。エサは、低温(冷蔵庫の野菜入れ)にして、手入れさえ良ければ一週間は十分持ちます。

?後は、持ち帰るゴミを整理したり、良く釣れた場所などをチェックして「納竿」です。

(6)帰宅後の作業です
?釣りから帰って、ああ疲れたといって風呂に入ってご飯を食べてでは家庭は上手くいきません。先ずは使った道具の手入れをしてください。

?サオとリールはぬるま湯で洗います。ともかく錆びる部分はていねいに洗って、乾かしてから、リールのローラー部分にオイルをさしたり、金具にはスプレーしたりします。使ったものは潮をかぶっていますから、拭いたり洗ったりしておきます。

?消耗した釣り具をチェックすることも大事です。足りなくなったものや海岸で知った便利なものなどは、次ぎの釣行までに買い揃えておきましょう。
? シロギスの美味しい食べ方
自分で釣った魚を食べるのは一味違います。シロギスの下ろし方と料理のメニューを簡単に紹介します。

(1)シロギスの下ろし方
?砂浜で釣ったシロギスは砂が付いていますので、必ず冷たい水でよく洗ってください。
?包丁は小出刃を使います。先ずは、包丁でウロコをよく取ります。
?塩焼き用には、エラとハラワタを出し、洗って出来上がりです。
?天ぷらやフライ用には三枚に下ろします。横ビレの直ぐ下に包丁をあて、中骨までの半分までを切り、魚を裏返して後の半分を切って、頭を取り除きます。
?腹に縦に包丁を入れて、ハラワタを取り除きます。このようにして、全ての魚のウロコとアタマとハラワタをとって、冷水でよく洗います。浮き袋まで良く取り除いてください。アタマも洗っておいてください。
?ザルに上げて水を切り、順次、三枚に下ろします。アバラボネはすくように、丁寧に包丁を入れて取ります。
?下ごしらえができた魚は、取りあえず冷蔵庫に入れておきます。保存はラップして冷凍します。
?アタマと中ボネは、サッと熱湯をかけ、臭みを取ってからダシを取ります。大根の味噌汁や天ぷらのタレを作ると最高です。

(2)シロギスの代表的な料理
代表的なものとしては、サシミ、酢の物、天ぷら、フライ、ムニエル、コガネ焼き、南蛮漬けなどがあります。どれをとっても美味しいもので、付け合せや独自のソースなどを工夫するとさらに美味しくいただけます。各家庭で色々と工夫してください。

* 最後に一つだけ絶品の「コブ〆」を紹介しておきましょう。
・ 三枚に下ろした身に、サッとあら塩をかけ2〜3分おきます。
・ 直ぐに、たっぷりのお酢で塩を洗い流します。酢漬けするのではありません。酢は殺菌とあくまでも塩を洗い流すだけです。
・ ボールにとって、水分(酢気)があるうちにタッパーなどに、良質のコンブと重ね合わせて冷蔵庫にしまいます。コンブは薄く柔らかい、竿前コンブか早煮コンブが適します。
・ 2〜3日置いて、ワサビ醤油で食べます。コンブも付け合せます。
日が経ったものは、細切りにしてお茶づけです。しろゴマ、のり、梅干をのせるとよく合い絶品です。   

カテゴリー: シロギス タグ:

投げキス釣りの仕掛編

2011 年 6 月 2 日 Comments off

 楽しい投げ釣り ―シロギスへの挑戦―

画像(143x44)

スズキ目キス科キス属

? 自分のオリジナルな仕掛けを作ってみよう

さあ、ここで、自分の仕掛けを作ってみましょう。最初ですから、ごく基本的な仕掛け作りを紹介します。ハリ数を増したり、長くするにはこれを応用してください。

(1)先ず材料を用意します
?幹イトには、2号のナイロンを用意して下さい。ハリスとして市販されているものなら安価なものでかまいません。

?次に、枝スを作るナイロンです。これは特殊なハリスで「ゴーセン」というメーカーから出されている、「ホンテロン」又は「アクアキング」を使います。1号を買ってください。これは硬いイトですから、幹イトに枝状に結んでも、垂れ下がりにくく、投げた時にも幹イトに絡みにくいといった特性をもった特殊なハリスなのです。

?ハリは、キス専用のものを選んでください。湘南ギスとか競技用とか色々ありますが、大きさは6号、7号位が適当でしょう。
(2)材料が揃ったらいよいよ仕掛け作りです
最初ですから使いやすいように、全長が150センチの三本バリ仕掛けとします。ラインの結び方やハリの結び方は図を参照してください。

?最初の作業は「枝ス」作りです。先ず、ホンテロンを10センチほどの長さにまとめて切っておき、ハリを次々に結んでおきます。

?次に、幹イトを150センチに切ります。この幹イトの下から80センチの所に3番バリを結びます。作っておいた枝スを上向きに重ね、ハリから幹イトまでの長さを3〜4センチとして、「二重結び」で結んでください。

?次は2番バリです。3番バリと同じように、枝スを下から40センチの位置に結んでください。

?最後は、一番バリです。ここでは、幹イトの末端に枝スを下向きに平行に重ね、枝スを出来るだけ長くなるように、結んでください。

?最後に、余分に残った枝スのラインを短く切ってください。これで完成です。後は、仕掛け巻きに1番バリから順に巻いてストックします。

画像(320x59)・拡大画像(500x93)
画像(235x320)・拡大画像(300x407)

? ラインの結びを憶えよう

ラインは、ラインとライン、ラインとハリ、ラインとサルカンなど色々なものと結びます。結び方は、結ぶ相手によっても違いますし、同じ相手でも結び方がいく通りもあります。ここでは、投げ釣りに最小限必要な、基本的な結び方だけを説明しておきます。

画像(180x112)・拡大画像(250x156)

(1)スプールにミチ糸を結びます
?新しいリールとミチ糸を買ってきました。さて、スプールに結ぼうとしても止める装置が無いものはズレてしまったり緩んだりで、なかなか上手くいきません。

?最後の?ところをあまり強くギュウギュウと引かずに、軽く止まる程度として、上からミチ糸を重ねるように巻き始めてください。ミチ糸は緩みのないように最後までしっかり巻き取ってください。

画像(95x180)・拡大画像(240x453)

(2)ミチ糸とチカラ糸を結びます
?ラインとラインの結び方です。同じ「素材」でない場合は、スベッてしまい上手く結べないことがあります。この時は、片側ずつ違えた結びをしてください。

画像(99x180)・拡大画像(240x435)

(3)チカラ糸とサルカンを結びます
?ラインとサルカンなど金具類との結び方で、直に結ぶ時に必要な結び方です。

画像(320x106)・拡大画像(500x166)

(4)ハリスにハリを結びます
?ハリの結び方もいく通りもありますが、ともかく慣れることが一番です。ハリ結び器などより、手で巻くほうが確実に早く巻けるはずです。
?図に従って練習してください。
?あらかじめ、ハリスを10センチくらいに切り揃えている場合には、「内掛け結び」で結んでください。
?長いハリスの先端にハリを結ぶ場合は、「外掛け結び」が適切です。

画像(80x180)・拡大画像(240x540)
画像(63x180)・拡大画像(227x639)

5)幹イトに枝スを結びます
?ハリのついた枝スを幹イトに結びます。上から下に順に結んでいきます。

画像(180x148)・拡大画像(500x412)
画像(180x142)・拡大画像(500x397)

今回の釣り名人は、シロギズ釣りの仕掛け編を紹介しました。

カテゴリー: シロギス タグ:

投げキス釣りの道具編

2010 年 5 月 10 日 Comments off

 楽しい投げ釣り ―シロギスへの挑戦―

画像(143x44)

スズキ目キス科キス属

? 「投げ釣り」の道具を整えよう
1 投げ釣りに必要な釣り道具

釣りをするには、釣る魚に見合った道具や仕掛け、エサなどが必要です。ここでは砂浜海岸からのシロギス釣りを対象とした、初心者用の投げ釣り用の道具を中心に説明します。

画像(180x123)・拡大画像(300x205)

(1) 投げ釣りの必需品

?サオ(投げザオ) 
?リール(スピーニングリール) 
?ミチ糸(ライン)  
?チカラ糸   
?オモリ(テンビンオモリ)  
?スナズリ(ヨリ糸)
?仕掛け巻き  
?仕掛け(ハリス=幹イト+枝ス+ハリ)  
?エサ


今月はYellow Guys 理事であり、神奈川県平塚市在住の
高沢鱚介氏が
キス釣りの道具編をお届け致します。!
高沢鱚介



 楽しい投げ釣り ―シロギスへの挑戦―
スズキ目キス科キス属

? 「投げ釣り」の道具を整えよう
1 投げ釣りに必要な釣り道具
 釣りをするには、釣る魚に見合った道具や仕掛け、エサなどが必要です。ここでは砂浜海岸からのシロギス釣りを対象とした、初心者用の投げ釣り用の道具を中心に説明します。
(1) 投げ釣りの必需品

?サオ(投げザオ) 
?リール(スピーニングリール) 
?ミチ糸(ライン)  
?チカラ糸   
?オモリ(テンビンオモリ)  
?スナズリ(ヨリ糸)
?仕掛け巻き  
?仕掛け(ハリス=幹イト+枝ス+ハリ)  
?エサ
(2) 常に用意しておくもの、あったほうが便利なもの

? サオ立て 
?クーラーボックス 
?ゴミ袋(ビニール袋) 
?エサ箱  
?手拭タオル 
?ハサミ 
?ハリはずし 
?指サック 
?サルカン(スイベル) 
?石粉(スベリ止め) 
?予備のミチ糸、チカラ糸、オモリ、スナズリ(ヨリ糸)、仕掛け?道具入れ(カバン)・・などがあります。
この他に、サオ止め用ベルト、ビニールバケツ、帽子、長靴、防寒コート、
サングラス、ケイタイ電話などもあったほうが良いでしょう。

2 投げ釣り必需品の選び方

釣り道具ほど細やかに、色々な種類があるものは他には無いでしょう。それは極端に言って、対象となる魚の種類と、様々な釣り方にあわせて道具が考案されているからです。当然、投げ釣りで、同じシロギスを釣るのでも色々な種類があります。
ここでは、初心者が100メートル位の距離を攻めることを前提として、まあまあ、これならばという「道具」を中心に選びたいと思います。ただ、安物で壊れ易く危険性があるものは避けたいと思います。また、高級品や、体力、技術が伴わないと使えないようなものなどは、もっと上達してから揃えることとし、ここでは省略します。

画像(300x213)


今月はYellow Guys 理事であり、神奈川県平塚市在住の
高沢鱚介氏が
キス釣りの道具編をお届け致します。!
高沢鱚介



 楽しい投げ釣り ―シロギスへの挑戦―
スズキ目キス科キス属

? 「投げ釣り」の道具を整えよう
1 投げ釣りに必要な釣り道具
 釣りをするには、釣る魚に見合った道具や仕掛け、エサなどが必要です。ここでは砂浜海岸からのシロギス釣りを対象とした、初心者用の投げ釣り用の道具を中心に説明します。
(1) 投げ釣りの必需品

?サオ(投げザオ) 
?リール(スピーニングリール) 
?ミチ糸(ライン)  
?チカラ糸   
?オモリ(テンビンオモリ)  
?スナズリ(ヨリ糸)
?仕掛け巻き  
?仕掛け(ハリス=幹イト+枝ス+ハリ)  
?エサ
(2) 常に用意しておくもの、あったほうが便利なもの

? サオ立て 
?クーラーボックス 
?ゴミ袋(ビニール袋) 
?エサ箱  
?手拭タオル 
?ハサミ 
?ハリはずし 
?指サック 
?サルカン(スイベル) 
?石粉(スベリ止め) 
?予備のミチ糸、チカラ糸、オモリ、スナズリ(ヨリ糸)、仕掛け?道具入れ(カバン)・・などがあります。
この他に、サオ止め用ベルト、ビニールバケツ、帽子、長靴、防寒コート、
サングラス、ケイタイ電話などもあったほうが良いでしょう。
2 投げ釣り必需品の選び方
 釣り道具ほど細やかに、色々な種類があるものは他には無いでしょう。それは極端に言って、対象となる魚の種類と、様々な釣り方にあわせて道具が考案されているからです。当然、投げ釣りで、同じシロギスを釣るのでも色々な種類があります。
ここでは、初心者が100メートル位の距離を攻めることを前提として、まあまあ、これならばという「道具」を中心に選びたいと思います。ただ、安物で壊れ易く危険性があるものは避けたいと思います。また、高級品や、体力、技術が伴わないと使えないようなものなどは、もっと上達してから揃えることとし、ここでは省略します。

(1)サオ(投げザオ)
?サオの材質は大きく分けて「グラスロッド」と「カーボンロッド」があります。また、両方が混合されたものもありますが、細身で軽く、反発のあるカーボンを選びましょう。値段はメーカーによって違いますが、少々高くても上級品を選ぶべきです。将来にわたって、近場の予備サオとして使えます。

?サオの長さと強さですが、長さは、3.6m、3.9m、4.05m、4.2m、4.5mなどがあります。 強さは、「オモリの平均負荷」で表され、20号、25号、27号、30号、33号、35号、40号などと表示されています。メーカーによっては、英文字で、AXとかBX、EX・・などの記号表示もあります。また、サオの何処かに必ず、25−405とか、CX−425とかで、長さと強さが表示されているはずです。平均負荷とは、例えば、25号の表示なら、通常の投げ方で、その前後の23号から27号位までのオモリに適しているサオと考えてください。

?サオには3本(トップ、二番、元)のピースを継ぐ「並継ぎザオ」と、元ザオに収まってしまう「振り出しザオ」の二種類があります。余ほどの遠投を要しないならば振り出し竿で充分です。その方が場所を異動するときや、持ち運びに便利です。

?ここでは、長さは3.6mか4.1m、強さは25号か30号の範囲の組み合わせで選ぶこととし、実際に釣具店で振ってみて、自分の身長や腕力等からの感じをつかんでから決めてください。

  (2)リール(スピーニングリール)
?リールも色々ありますが、「投げ釣り専用」のスピーニングリールを選んでください。ミチ糸を巻くところを「スプール」といいますが、この構造によって飛びが違ってきます。投げ専用のスプールは、スムーズにミチ糸が放出されるように、溝が浅く多くはコップを伏せた形をしています。

?買うときは、自分が使うミチ糸の太さが、スプールに丁度200m巻けるものを選んでください。長く本格的にやる気なら、上級品を選んでください。値段は高いなりに性能も良く、予備のスプールも付いています。釣具店には旧型のものもあり、それらは買い得です。

?リールには、右巻きと左巻きがあります。利き腕で、サオとリールの基部を支えて投げ、余った手でハンドル操作をします。右利きならば左ハンドルを選んでください。最初のハンドリングはやりにくさを憶えますが直ぐになれます。

(3)ミチ糸(ライン)
?ミチ糸は、一般にナイロン系、フロロ系、ポリエステル系(PE)の三種類がありますが、細くて、丈夫で、アタリが抜群に良い「PE」ラインを選びましょう。価格はナイロンの数倍もしますが、それだけの価値はあると思います。太さは1号、1.5号、2号の中から選んでください。長さは200mが標準です。予備のスプールがあれば異なった太さのラインを巻いておくと良いでしょう。投げ釣り専用のラインは25メートル毎に色が違った色で染められており、4色で100メートル、これが2回で一巻200メートルとなっています。投げた距離を示すのに投げ釣りでは7色投げたとか、3色で喰ったなどと言いますが、これは25メートル×○色の距離なのです。憶えておいてください。

?一つだけ注意があります。ラインとチカラ糸が一体になった「テーパーライン」は買わないでください。チカラ糸はミチ糸と結んで使いますが、根掛りしたときは、その結節点が安全弁として切れてくれるのです。しかし、チカラ糸が一体となったテーパーラインでは、とんでもない高い位置などで、ちょっと弱った部分で切れたりしてしまいます。高価なラインが一発でオジャンになったりしてしまう危険があるからです。

(4)チカラ糸
?投げる際には、ラインに指先をかけて投げます。そのとき、細いミチ糸に指をかけて投げたらどうでしょう。細いラインは直ぐに切れてしまったり、ラインで指を切ってしまう危険もあります。そこで、オモリを振り切る瞬間に加わる力に耐えられるように、力が加わる部分が太く、ミチ糸と結ぶ側が細くなっているテーパー状となった「チカラ糸」が必要なのです。

?長さは13〜15m位で、ナイロンのものとPEがあります。本当はPEをお薦めしたいのですが、余りにも価格が高いので、ここではナイロン製で我慢しましょう。5本巻きとか10本巻きで売っていますが、取りあえず、12号(太い部分)〜2号(細い側)の「テーパー・チカラ糸」を買ってください。なお、PEが欲しいというのならば、太い部分が5号で、細い側が1.0号とか1.5号とか、既に買ったミチ糸と同じ太さのものを選んでください。

(5)オモリ(テンビンオモリ)
?オモリとテンビンは、元は別の物でしたが今は一体になっているものが主流です。また、種類や形、重さのものが多種あります。代表的なものとしては、オモリとテンビンが一体化した「固定式」のL型テンビンオモリ(富士・海草、ムクといわれるもの)や、「半遊動式」の富士ジェットテンビンオモリなどです。また、オモリとテンビンが別々になった湘南スペシャルなども最近人気があります。

?さて、ここでは、たくさんある中で一番普及している富士工業の「L型・海草テンビンオモリ」と、「ジェットテンビンオモリ」を選びます。取りあえず、20号、23号、25号、27号を数個づつ買ってください。

(6)スナズリ(ヨリ糸)
?これは正直言って無くてもかまいませんが、経験から見てお勧めするものです。これはテンビンの先に付ける30センチ位のヨリ糸で、その下に仕掛けを結びます。固いハリガネのテンビンと極細の幹イトとの間にあって空中でバランスを取ったり、回転する仕掛けのカラミを防ぐ役目をします。

?1.5号位のナイロン糸を自分で拠ってもいいのですが、市販品に硬めのホンテロンというナイロン糸でよった「1.2号×3本・ヨリ糸」があります。これを30センチ位に切って上部に20号位の「フック付きサルカン」を、下部には22号位の極小「サルカン」を付けて完成です。場合によっては、上部のフック付きサルカンは付けずに、テンビンに直付けしてもかまいません。

(7)仕掛け巻き
?仕掛けは、基本的には自分でオリジナルなものを作るものです。作った仕掛けのハリをサビさせたりしないように、また、使う時に取り出しやすく、使い易く整理しておく用具が「仕掛け巻き」です。ハリの種類やラインの種類、ハリの大きさや数など、それぞれに分けて整理しておきます。

?仕掛け巻きは色々とアイデア商品が市販されていますが、自分で工夫するのもよいでしょう。例えば、硬めのボール紙を1×5センチ角に切って、切片をたくさん造っておきます。これに、作った仕掛けを一つずつ巻き、種類別に名刺の空き箱などに入れて整理するのです。また、カラになったイト巻きに、紙テープと重ねながら順に巻き込むなどの方法もあります。

(8)仕掛け(ハリス=幹イト+枝ス+ハリ)
?いよいよ仕掛けです。仕掛けは、釣り人にとって釣果を左右する一番大事なものです。また、仕掛けには絶対というものもありません。釣り人の個性が強く出るのもこの仕掛けで、暇なときに作っておきます。仕掛け全体をハリスとも呼びますが、ナイロンの「幹イト」と、ハリを結んだ「枝ス」を組む(結ぶ)だけで、実に簡単に出来るものなのです。

?最近は、シロギス投げ釣り用の優れた仕掛けが売られています。当面の間は市販品でかまいませんが、その内にきっとそれでは飽き足らずに自分で作るようになると思います。取りあえずは市販品でよいのですが、必ず投げ釣り専用の「シロギス用のオリジナル」を選んでください。買う場合には蛍光玉やチチワ作り等は避けて、なるべくシンプルなものを選んで下さい。仕掛けに使用しているラインは、幹イトが1〜2号、枝スが0.8〜1.5号、ハリは6〜7号のものが適当でしょう。

(9)エサ
?関東での投げ釣りで使うエサの代表は「ジャリメ」で、常時必要とするエサです。国内で養殖されており、いつでも釣具店やエサ屋にあります。

?その他に、「アオイソメ」、「東京スナメ」、「岩イソメ」等があり、その日の、海水の温度や潮の濁りの状況で効果を発揮することがあります。

3 常に用意しておくもの、あった方が便利なものの選び方

投げ釣りに直接必要な道具を掲げましたが、釣行するには、この他にも常備しておきたいものや、あった方がより便利だというものが沢山あります。上記に列記したものの中で、若干説明しておいたほうが良いものを選んでみます。
(1)サオ立て
?サオ立ては、クーラーボックスの側や海に向けて立てます。ちよっとサオを立てかけたり、「待ち釣り」などの時には、無くてはならないものです。

?ステンレス製の錆びにくく、しっかりしたものを選びましょう。

画像(300x201)

(2)クーラーボックス
?魚を釣っても保管するところが無ければ困ります。特に夏場はアイスクーラーが無ければ、折角釣った獲物が痛んでしまいます。保冷力のあるものを選んでください。

?クーラーボックスは、オモリや仕掛けなどの小物入れがあったり、エサ箱やサオ置きが付いたものが便利です。出来るだけ、それらが付いた「投げ釣り専用のクーラーボックス」を求めてください。

(3)ゴミ袋
?持ち込んだゴミを持ち帰るために絶対に必要です。朝、コンビニに寄った際、もう一枚、余分にポリ袋をもらうと良いでしょう。

?その袋をボックスクーラーに取り付けられるように、クリップなどをセットしておくと便利です。

(4)エサ箱
?エサ箱は中に仕切りの付いたものが良く、二つ用意したいものです。一つは、買ったエサをクーラーに保管するものです。もう一つは、常時使うエサを小出しにするもので、クーラーにセットして使うものです。

?出来れば、両方とも木製を選んでください。エサを元気に生かしておくには木製にかないません。

?クーラーにセットするエサ箱は、3〜4つの仕切りがあるとベターです。何種類かのエサと「石粉」を分けて入れられます。
(5)指サック
?投げる際にチカラ糸を支えるための、指にはめる皮革などで出来ているサックです。ただし、よほどの遠投でもしない限り不要です。慣れれば、指の痛さなどさほどでなく、指先から伝わる投げの感覚の方がより大切だからです。

(6)サルカン(スイベル)
  ?サルカンは、オモリや仕掛けが飛んでいく際に生じる回転をうまく調節するものです。小さなものから大きなもの、フック付きのもの、3本足のものなどがあります。号数が大きくなるほど形は小さくなります。

?チカラ糸に結びオモリを付ける場合は、フック付きの4号から8号位の大型の、丈夫なものを揃えてください。

?仕掛け、またはヨリ糸に付けて使う場合には、小型の22号位のフック付きと、24号位の普通サルカンを選んでください。

(7)石粉
?エサのジャリメなどはヌルヌルして掴みくいものです。石粉は字のように石のコナで、元々は工業用の研磨剤です。ノコギリ粉を使っている人もいます。

?使うエサに少々振りかけることによって、エサが滑らず「ハリ通し」がグット楽になります。何処にでも売っているものではありません。湘南の投げ釣り専門の釣り具店で求めてください。

(8)道具入れ
?投げ釣りでは、「シロギスは足で釣れ」の格言があります。余計な荷物はなるべく少なくすることは云うまでもありませんが、それでも必要なものが結構あります。そこで必要なのがツールボックスです。

?しかし、ボックスは意外と邪魔者になります。コンパクトに仕舞うには、布製のカバンかリュックサックが一番です。最近は、ポケットがたくさん付いたよいものが市販されていますが、釣り具屋にはあまり置いてないようです。

画像(123x180)・拡大画像(300x436)

(9)防寒具
?釣りは自然の中でのスポーツです。遮るものも少なく、気温が変ったり、風が出たりと、始終、外気の状況が変ります。夏であっても釣行時には必ず一枚、余分に風を通さないようなジャンバーなどを用意してください。 

(10)サングラス
?サングラスは、人相が悪くなるから嫌だという人、単に日差しが眩しいからかけるという人が案外多いものです。しかしそれは間違いで、将来の白内障とかの目の病気を予防するのだとマジメに考えてください。
UVカットのものや偏光グラスなど、なるべく良質なものを選んでください。





 今回の釣り名人は、シロギズ釣りの道具編を紹介しました。
次回も高沢鱚介氏のシロギス釣りを引き続き紹介したいと思います。

カテゴリー: シロギス タグ:

キス釣りの基本

2010 年 4 月 27 日 Comments off

楽しい投げ釣り ―シロギスへの挑戦―

画像(143x44)

スズキ目キス科キス属


「投げ釣り」ってどんな釣りだろう
1 海釣りにはどんな種類があるの?

画像(180x123)・拡大画像(300x206)

海釣りの種類には、船による「沖釣り」、岩場や岩礁上からからの「磯釣り」、堤防や波止場で行う「堤防釣り(波止釣り)」などに分けられ、これは、釣る場所を捉えて釣りの種類を区分したものです。また、釣る場所が異なるということは、そこに棲む魚の種類も当然異なります。釣り人達は自分の釣りたい魚を目標に、ウキを使ったり、トローリングで釣ったり、電動リールを使って1000メートルもの深い海に挑んだりと、目指す魚を相手に色々な道具や釣法を用いて釣ります。従って、これら一つ一つが釣りの種類にもなるし、直接、タイ釣り等のように、魚の名前をそのまま釣りの種類としてしまうことも多いのです。このように、釣りとは、可也いい加減さがありますが、反面、この曖昧さが釣りそのものを楽しくしているのかも知れませんね。

2 投げ釣りは磯釣りの仲間なのか!

さて、本題の「投げ釣り」ですが、「投げ釣り」を広義に捉えると、「磯釣り」の仲間に入るかも知れません。しかし、投げ釣りを単純に場所で決めたような云い方は適切ではないと思います。 
投げ釣りは、何といっても「シロギス」が本命だからなのです。このシロギスは砂や砂利層が広がる海底スレスレのところを、群れを作ってエサを求めながら泳いでいます。従って、釣りの方も、「ジャリメ」などのシロギスが好むエサの付いた仕掛けを海底に沿って、ズルズルと引いたり止めたりしながら、いわゆる「サビいて釣る」釣りだからです。投げ釣りは、投げる場所が岩場でも堤防でも、何処でも構いません。ただし、投げた先で「根掛かり」してしまうような「磯」では釣りにならないのです。このように、「投げ釣り」は場所を指した呼び方でなく、「投げて釣ることができる釣り」として、一つの独立したジャンルを形成していると云うのが正解でしょう。

投げ釣りの基本は砂浜だ!

投げる場所は何処でもいいと云いましたが、これはベテラン達の話です。何と云っても「投げ釣り」の基本は「砂浜」です。慣れない人が 磯場なんかで投げれば、その瞬間に後ろに垂らした「仕掛け」が引っかかってしまう筈です。湘南などの砂浜海岸なら、投げる場所も海底も砂浜ですから安全ですし、直ぐ波口まで「サビく」ことも出来ます。実は、本格的な投げ釣りの歴史は、未だ50年位とそれほど古くはありません。湘南の大磯海岸に始まった釣りだと云われますが、今では気軽さも手伝って全国に広がっています。また、各地に投げ釣りクラブがあって、全国的な組織もあります。これから釣りを覚えるにも、色々な海岸に遠征するにも釣りクラブに加入するのが近道でしょう。身近なクラブに入ることを是非お勧めします。

投げ釣りはスポーツだ!

画像(180x117)・拡大画像(300x196)

投げ釣りの人気を探ってみましょう。実は、投げ釣りは、単に「静かな釣り」でも「あそびの釣り」と云う事ではありません。投げ釣りは、全身を使って強い動きを必要とする「投げる動作」と、静かに相手を誘って「釣る」と云った「動と静の二つの世界」をマスターしてこそ、始めて一つの釣りになります。このように、多くのスポーツに要求される用件を備えた、歴然たる「スポーツ」の世界に位置付くものなのです。特に、投げることでは、安全性や正確性とともに、いかに遠くに投げるかなどを競う「キャスティング競技」があり、200メートル以上も投げる豪腕の持ち主すら居ます。驚いたことに、今ではこのキャスティング競技は、世界大会まで開催されているのです。将来、オリムピック競技になったら良いですね。
この他、投げ釣りの良さは、安直に釣行出来ること、環境に優しい釣りであること、釣った魚が美味しいことなどがあります。しかし、何といっても一番の魅力は、「投げることも、釣ることも難しい。」というのがベテラン達の共通した認識だと思います。

30センチ以上の大型シロギスを「まぼろしの尺ギス」と言う?

画像(180x130)・拡大画像(300x217)

シロギスの大きさは、20センチ前後がレギュラーサイズです。また、秋には「ピンギス」といって10センチ位の小ギスがたくさん釣れます。しかし、釣り人の多くは日本記録と言われる「36.4センチ」を破ろうと一発狙いで幻の「尺ギス」に挑んだり、「束釣り(100尾)」以上を狙ったり、一投で数尾をまとめて釣ってしまう「連釣り」を目指したりしています。そしてベテランの多くは、その日の「釣行」にそうした目標を絞り仲間達と競い楽しんでいます。また、「釣果(ちょうか)」を、「尾数(びすう)」や「大きさ」、「重さ」などで競う、「投げ釣り大会」が各地で開かれ賑わっています。腕を磨く積りでそうした大会に参加するのも良いものです。

魚の気持ちが一番解ってくれるのは釣り人?

さて、大切なことを一つお願いしておきます。簡単なことですが守られていないことも事実ですから、この際、敢えて申し上げておきたいのです、これは釣り人の義務だと心に命じて釣行してほしいし、また、普段の生活の中でも意識して行動して頂きたいのです。
一言で云えば、「海や海岸を汚さないこと。魚をいたわること。」です。楽しく素晴らしい釣りができるのは、そこに元気な魚が居るから出来るのです。我々人間だって、環境が悪く汚れた空気の中では病気になってしまいます。人間なら、薬を飲んだり医者に掛ったり、住む場所をかえたり・・でも、更に汚染が広がり環境が悪化すれば、やがては他の生物とともに死に絶えることでしょう。
魚達はどうでしょう。環境の整った海なら、釣り人が少々余分に釣ったとしても自然の力で「再生産」され続けることができるのです。しかし、海が化学物質等で汚染され、魚体を侵し始めたらどうでしょう。病気になっても魚の医者なんか居ないし、魚は人間みたいに強くはありません。悪い環境から逃れて住む場所を移動したとしても、そこは今迄居た所と違い、エサも無く、水温や水圧の変化で棲息することは出来ないでしょう。
いま、人間社会では地球規模で環境を守ろうと努力しています。人間が食料とする大切な魚も守らなければならない状況が来ているのです。ですから、魚のことを一番知っている釣り人の一人一人が今の環境問題を知り、小さなことでよいから一つずつ改善に向かって行動することが大切なのです。

ゴミを捨てるな!不要な魚は逃がしてやろう!

画像(300x208)

そこで、具体的にお願いしたいことが二つあります。一つは、海を汚してしまうゴミを絶対に捨てないこと。残さないで持ち帰ることです。特に問題となるのは、化学的に作られたビニール製品やプラスチック製品です。また、殺虫剤やシャンプーなどの化学薬品は魚にとって毒薬です。これらは、河川に投棄され海に流れ出るものが殆どですから、私たちは日常生活の中で常に感心を持ち、未然に防ぐよう関与していくことが必要です。
二つには、生ある魚は生き物であると云うことです。投げ釣りでは、釣るシロギスは食べることも目的の一つであると思います。しかし、いわゆる「外道」と云われる目的外の魚で不要なものは、例え、毒魚であってもリリースしてやりましょう。 第一、毒魚だなんて決め付けることはありません。恐らく、これ迄の歴史の中で、魚が陸に上がり人間に悪さを仕掛けたなんてあるはずは無いのです。人間がかってに毒魚だと裁判を下してしまったのです。捨てる魚だ、毒魚だと云われた魚を釣ってしまった彼方!じっと魚の顔や体を見て御覧なさい。天は実に素晴らしい生き物を我々の地球に与えてくれたのか・・分かる筈です。

画像(300x209)

最後に!!
 私たちは、やがては自分達の子供や孫子に色々なことを引き継ぎます。その中の一つに、今以上に綺麗な海で、魚が沢山いて、もっともっと楽しい釣りを受け継ぐことが出来たら最高です。皆で努力し、そんな環境づくりに取り組んでいきましょう。ここに、皆さんが一人の釣り人として必ず努力してくれることを期待してやみません。

画像(110x100)

今回は、神奈川県平塚市在住の高沢鱚介氏が
キス釣りの基本をお届けしました。

カテゴリー: シロギス タグ:

西湘のキス釣りの古き良き時代

2010 年 4 月 1 日 Comments off

シロギスに魅せられて  

画像(143x44)

シロギス ズズキ目キス科キス属

還元・・古き時代を偲びながら・あなたに

画像(180x114)・拡大画像(300x191)

 私の専門領域は、投げ釣りによるシロギス釣りである。
投げ釣り発祥の地である西湘の二宮海岸で、育ちながら覚えた釣りで、彼これ40数年が経つ。
古き時代の頃をときおり書くのだが、すっかり変わってしまった今の環境の中で、何でそんな古い戯言を・・という方がいる。
 しかし、良き時代のことを語らずに居られない訳がある。
何故ならば、釣れないこと、魚が少ないことなどを当然のこととして受け止めてしまっている若者の、その馴らされてしまった姿がおぞましいからだ。

海は元来、もっともっと豊かで、活力に満ちているもの。文明の裏側の矛盾に気付かず発展した20世紀のツケが、地球上で一番広く大きい自然環境の浄化装置である「海」までを汚染し、あらゆる生命体に悪影響を与えている。それらの実態は多くの学者が指摘し、改善に取り組んでいる。
学者先生方は難しく表現するが、多くの釣り人はもっと単純に、しかも正確にその事を理解している筈だ。「魚が釣れなくなった、魚が居なくなった、赤潮が、青潮が、・・まさに環境汚染に違いない」と言ったように。
体験上、海を一番身近に知っているのは釣り人なのだから、そうしたことをヒソヒソと陰で語らずに、もっと声を大にして叫んでみたらどうだろう。
一方、釣り人が環境を破壊していると指摘する声がある。
 確かにマナーの悪さは否めない。
しかし、釣り人が環境破壊をしているなどと、大げさに言われることは無い。
良識ある多くの釣り人は、今や身辺の環境改善に誠意努力し行動している。 
 
 汚染された水の終末処理を担わされた海は、今や瀕死の状態にある。だが、人間の知恵と努力で、時間は掛かろうとも必ずや治癒できる筈だ。
21世紀は地球規模で環境の時代と云われ、わが国でも政経産学が協働してこれに向かいつつある。まだ、それほど関心を持たない釣り人にお願いしたい。
釣り人として出来る行動はあまりにも小さいが、身近なことからでよい、具体の行動をしてほしい。

  • 釣り場にゴミを捨てない。
  • 多量なコマセは撒かない。
  • 不要な殺生はしない。

そんなことから実践してみてほしい。頭で解っていても行動が伴わない・・それでは困るのだ。
しかし、そうした初歩的な入り口に馴染んでさえしまえば、後は自分の家庭や地域、さらには社会システムの中に潜んでいる多くの環境問題に気付くだろう。是非、お互いにがんばって改善の輪を広げて行こうではないか。 

画像(180x124)・拡大画像(300x208)

さて、40数年前の西湘の海はどうだったのだろう。
それは美しく、透明で、シロギスの旬には、40〜50メートルの距離で、平均サイズ20センチ級が、半日釣って30数尾は堅かった。
素もぐりで魚を追いかけたこともある。
背後の斜面は黒松林、砂浜は広く白砂で覆われていた。


今,西湘バイパスが通ってしまった土地には、野バラやハマエンドウ、ハマヒルガオやボウフが咲き、秋グミや野ブドウが実っていた。そしてチドリやアオジなど多くの小鳥達が巣造りし、声高らかにさえずっていた。
そんな釣りを今思い出す。
 若者たちよ!これからは少しずつ満足した釣りが出来るようになるだろう。
 しかし、それを単に偶然だと喜ばず、自分が行動した見返りだと考えるようにしてほしい。
あなた方が還暦に達し、あなた方の子供たちや孫たちが釣りをする頃には、私自身が楽しめた古き良き時代以上に、素晴らしい釣りが出来るようになるだろう。
傷付き、老いてしまった母なる海には、愛を持って報い、若返えさせてあげたい。
ずうっと永遠に、魚との戯れが続けられるように・・これからも努力したい。

画像(110x100)

今回は、神奈川県平塚市在住の高澤鱚介氏が
西湘のキス釣りの古き良き時代の想いをお届けしました。
次回から高澤鱚介氏のシロギスシリーズをお届け致します。

カテゴリー: シロギス タグ:

カレイ釣り基本編

2010 年 3 月 27 日 Comments off

本州の釣りはマコガレイとイシガレイが中心だが、北の海には多種多様なカレイがいて、オヒョウは大物ゲームフィッシュ。

画像(121x66)

カレイ目カレイ科ツノガレイ属


寒帯から亜寒帯まで多種多様

 フランス料理のムニエルでお馴染みのシタビラメ(ソール)や超高級魚ヒラメなどカレイ一族は多士済々。本家筋のカレイ科に属する魚だけでも30種余りもいる。
 北緯45度の北海道から24度の沖縄八重山まで、東北から南西に連なる日本列島は面積こそ狭いが、列島を取り囲む海は広大で、北からは寒流系の親潮、南からは暖流系の黒潮が流入、多彩な魚族をはぐくんでいる。その中でカレイは列島の隅々にまで分布し、水産業にとっては重要魚種であり、レクリエーションの釣りでも極めて馴染み深い魚だ。
 亜寒帯の沖縄にもカレイはいる。ダルマガレイやテンジクガレイなどだが、北に行くほど種類も量も増し、親潮流域の三陸、特に北海道は種類、資源量ともに圧倒的に多く、まさにカレイ王国なのである。
 多彩なカレイ一族だが釣りの相手として親しまれているのは「ヌマガレイ」「アブラガレイ」「ホシガレイ」「マツカワ」「ソウハチガレイ」「アカガレイ」「ムシガレイ」「メイタガレイ」「スナガレイ」「マガレイ」「マコガレイ」「イシガレイ」「クロガシラ」そして「オヒョウ」などだが、関東から西の地方でカレイ釣りといえばマコガレイとイシガレイを指し、釣りの世界で両種の人気は“全国区”だ。
 このカレイ、一様に体型は扁平で有色側に目が集まり、海底に密着する側は白っぽいなど、底棲に順応している。目は生まれつき片側にあるのではなく、幼生の頃は普通の魚と同様に両側にあるが、成長につれて片側に寄るのだという。
 この目の位置で一般に「左ヒラメ右カレイ」と両種を見分ける一つの目安にしている。有色側を上にして置いた時、目が右側ならカレイ、左側ならヒラメというわけだ。
 でも立派なカレイ一族であるヌマガレイは左側に目があり、アリューシャン列島には左右両方、アラスカには右側のもいるというからややこしい。口の形状も一般にカレイは「おちょぼ口」とされている。がマツカワガレイ、ホシガレイ、ムシガレイ、ソウハチガレイ、アカガレイなどはヒラメのように大口だ。口の形状や歯の強弱で、魚の捕食の仕方が変わり、ハリの型も異なってくるので画一的な“常識”には注意したい。サイズは普通大型のマツカワなどでも80cm以下。多くは20〜40cmだ。  が、何事も例外はあるもので、オヒョウだけは別格、特に雌は巨大で隊長2m、畳より大きく、重量も優に100kgを超す。オヒョウはIGFA認定のゲーム・フィッシュで、世界記録は1991年、アラスカのジュノーで釣れた166.92kg。アイスランドでも150kgオーバーが釣れている。

日本の中心魚種マコガレイ

マコガレイ(Pieuronectes yokohamae)は日本のレクリエーションのカレイ釣りの中心魚種だ。
北海道から九州まで、主に内湾、内海の浅海の砂泥底にいて、イソメ類や甲殻類等を捕らえて50cm余りに育つ。産卵期は冬。晩秋の頃、抱卵して肥えたマコガレイを江戸前釣り師達は特に“霜月マコ”と呼び珍重した。東京湾は関東のカレイ釣りでは中心的な存在で、三角ビシによる江戸前伝統の小突き釣りなどもあり、神奈川、東京、千葉の1都2県にまたがる沿岸各地から10月から4月にかけてのシーズン中は連日乗合船が出漁した。
 それが昭和30年代の経済の高度成長にともなう工場排水の流入や沿岸埋め立てなどによる環境悪化で東京湾の魚族は激減、比較的悪水に強いとされるカレイすら激減した。 

画像(180x136)・拡大画像(300x228)

50年代に入って、ようやく環境改善が本格的に叫ばれ、東京湾にもぼつぼつと魚達が帰って来て、カレイも昔日ほどではないが戻って来た。それとともに釣技も船上から投げて釣るスタイルが主流となり、今日に至っている。
 また、“城下ガレイ”の名で知られるカレイは大分県の別府湾の特定の海域で捕れるマコガレイである。マコガレイによく似た種に「マガレイ(Pleuronectes herzensteini)」がいる。ベテランのアングラーでも見分けがたいほどよく似ているが、マコガレイのほうが目の間隔が広くて目の間に鱗があるのに対して、マガレイの目の間隔は狭くて鱗がなく、口辺がやや突き出ている。マガレイのほうが北に多い。

投 げ 釣 り

画像(73x180)・拡大画像(150x366)

マコガレイは関東、関西方面のサーフキャスターにとってキスと並ぶ主要対象魚だ。特に産卵期をはさんで秋から春にかけては波静かな内湾や内海に寄るので、遠投技術がなくても釣れ、釣り場は砂浜のほか、護岸や堤防など概して足場もよいので、釣り場には女性の姿も多い。
 竿は3.9mから4.5mの投げ釣り専用竿。オモリ負荷20〜30号。スピニングリールは遠投性を追求した専用機種でなくても大型の通常機種で十分だ。
 ラインは20〜25mごとに色を変えて染め分けたナイロンの3〜5号150〜200m。3号ラインには3〜12号、5号ラインには5〜12号のテーパーライン(チカラ糸)を10m直結。15〜25号投げ釣り用テンビンオモリ(カイソウテンビンなど)にミキ糸5号60cm。上部はスナップ・スイベルをつけて30cmほど2本撚り。その30cm下から3号10cmのエダス。先端は3号40cmのハリスを直結、ハリはカレイバリ10〜12号赤焼き。ミキ糸先端のハリス結節部にガン玉。 
 餌はイワイソメ、フクロイソメ、コガネムシ、アオイソメ、エラコなど。ゴカイもよい餌だが投入の際、ショックで切れてしまうので投げ釣りには向かない。
 いずれの餌もハリいっぱいに刺してハリ先を出し、3cmほどたらして切る。カレイもほかの多くの魚と同様に上げ潮に岸寄りする傾向が強く、一般に「上げ潮五分から満潮を経て下げ三分」くらいまでが潮時とされている。
 とはいえ、釣り場の海底地形や構造物の存在などで底潮でも釣れる所はあり、一概に断言できない。結局は、ある程度実績のある釣り場に通い、その釣り場の潮の流れ、海底地形といった“特性”を把握することが釣果向上につながる。
 カレイは砂泥底に棲んでいる。しかし船道の傾斜底とか、捨て石回り、岩礁帯、藻場、養殖棚などの際や、汀線とほぼ並行して海底に走る砂の起伏「ヨブ」。また堤防先端部などで潮が渦状に巻いている所など、地形的、潮流的に“変化”している所はプランクトン、小動物など餌が豊かで、カレイもその周りに集まってくる。こうした所へ仕掛けを投入したらラインを張り気味にして置き竿で魚信を待つ。
 この釣りは1人で2本の竿を扱うケースが多く、その場合は投点を遠近左右にずらして投入する。2、3分待って魚信がなければ、仕掛けを手前に引き、再び置き竿で待つ。こうして投入線上の線を探り、魚信がなければ、投点をずらして投入する。置き竿の釣りだが、投入して、そのまま置きっぱなしにするようでは多くを望めない。
 魚信は概して微弱である。まったく気づかずに糸を張ったら釣れていたとか、ハリに掛かった魚が手前に泳いでラインがたるむケースもある。とにかく釣れたら、ラインの色や角度で釣れたポイントを頭に入れ、その周辺を重点的に探る。

船釣り

画像(141x180)・拡大画像(300x382)

関西、西日本では伝統的にカカリ釣りが、関東では流し釣りが盛んだが、昭和60年代以降、東京湾でもカカリ釣りの船が増えている。
<<カカリ釣り>>
 アンカーを入れてポイントに船を据えて釣る。船上からの投げ釣りが主流でタックルはキス竿か、やや強調子の1.8〜2.1m、オモリ負荷15号先調子竿に小型スピニングリール。3号ナイロンライン。テンビン仕掛け。テンビンはステンレス、パイプテンビンなどで、オモリは15〜20号。2号ハリス80cm、上部10cmは2本撚り、先端から35cmの所に2号15cmのエダス。ハリはカレイバリ8〜10号。
 ハリスに赤やピンク系のビニールパイプを通したり、ハリのチモトに赤系ビーズ玉、蛍光玉などを装着したり、ガン玉オモリで“はわせ効果”を狙ったり・・・さまざまなバリエーションがあり、いずれも潮の清濁、速さ、太陽光の投射角と強弱といった自然条件に対応したものである。が、標準型は言い換えれば万能型で、多くの釣り場で一応平均点は期待できる。

画像(150x148)

何の釣りにも通じることだが、仕掛けは“シンプル・イズ・ベスト”であり、デコレーションにあれこれ気を遣う前に、手まめに餌をつけ替えて“常に鮮度のよい餌”を心がけたい。だから餌は箱ごと日光にさらすようなことは避けて、冷たいクーラーに収納、小出しにした餌も、必ず日陰に置くなど餌の鮮度には気を配る。
餌はアオイソメが最も一般的。イワイソメ、フクロイソメ(イチヨセ)、コガネ虫のほか、北の海ではエラコ虫も多用されている。いずれもハリいっぱいに刺してハリ先を出し、5〜6cmたらす。
 ゴカイも素晴らしい餌だが、軟らかく切れやすいので投げ込む時にはソフトに行う。なお、カレイが食い渋り気味の時は、頭部の固い所を切り取ってハリに刺す。

画像(320x154)・拡大画像(450x217)

餌はアオイソメが最も一般的。イワイソメ、フクロイソメ(イチヨセ)、コガネ虫のほか、北の海ではエラコ虫も多用されている。いずれもハリいっぱいに刺してハリ先を出し、5〜6cmたらす。
 ゴカイも素晴らしい餌だが、軟らかく切れやすいので投げ込む時にはソフトに行う。なお、カレイが食い渋り気味の時は、頭部の固い所を切り取ってハリに刺す。

投入は乗り合い船など大勢が乗っている船上の場合、他人にハリを引っかけるなどの危険を避ける意味でアンダースローで行う。
 竿を持つ手を船の外側に出し、手首のスナップをきかせて投入する。この場合、潮の流れの向きを見て潮下90度の扇形の範囲内に投入する。潮に向かって投入すると、ラインに仕掛けがからみやすくなる。
 仕掛けが底まで沈んだら直ちに糸を張って50cmほど手前に引き、仕掛けを海底に馴染ませる。次いで、ごくスローに手前に引き、少し置いて、またジリジリと引き・・・。探って船下まで仕掛けが寄ったら投入し直す。
 この釣りも1人2本竿が多く、1本はホルダーに置き竿にし、ほかの1本で探るというパターンがある。置き竿は一見、無精に見えるが、潮が速い時など以外に効果的で2本とも置き竿で釣るケースもある。
魚信を察知・・・というケースが最も多い。一呼吸置いて大合わせする。

画像(100x122)

神奈川県茅ヶ崎市在住の服部善郎氏がカレイ釣りをお届け致しました。



カテゴリー: カレイ タグ:

メバル釣り(船釣り編)

2010 年 2 月 14 日 Comments off
画像(120x67)

目の良い魚なので、細いハリスが有利。
さらに海水が濁って凪の日が狙い目だ。
釣趣上々、グルメ度も高い。
当然釣り人の人気も高い。

画像(180x136)・拡大画像(300x227)

”春告げ魚”といえば一般的に古くからニシンを指すが、沖釣り人は早春の頃、竿に伝わるのどかなメバルの魚信に春の訪れを感じ取る。
 早春といえ、水温は低く、海はまだ冬。
 メバルたちは比較的水温が安定している沖の深い岩礁に群れ寄り、体力を蓄積して産卵に備える。 

 魚が1ヶ所に集中するので、釣りやすいところから沖のメバル釣りは早春から陽春の頃が盛期とされているのだ。
 この沖メバル釣り、全国各地、多彩な釣り方があるが、大きな系統として見ると、「胴付き仕掛けの釣り」「テンビン仕掛けの釣り」「コマセ・サビキ釣り」「ルアー釣り」「イワシなど活き餌の釣り」などがある。

胴 付 き 仕 掛 け の 釣 り

全国的に最も普及しているメバル沖釣りのメインの釣技だ。
 船を潮の流れに乗せて流しながら、ピンポイントのような狭いポイントを釣るので、いくらGPSや魚探が優秀でも、正確なヤマ立てをする”腕”の立つ船頭と、そうでない船頭の船では大差がつく。
 一例だが、優秀な船頭になると、まず胴の間からミヨシにかけての釣り人に釣らせ、頃合いを見計らって徐々にトモ方向の釣り人に釣らせ、結局ミヨシもトモも平均して釣らせてゆく・・・・といった加減が可能なのだ。
 こうしたテクニックは当然、潮の流れがゆるやかな小潮廻りの方が行使しやすい。
 もちろん、大潮でも潮のたるみによっては可能だが、短時間なので小潮廻りが有利だ。
 船頭、潮廻り、そしてもう1つメバル釣りを左右する要因が海況だ。
波風が強い時、メバルは岩礁に身を潜めて餌を追わないし、潮が澄むと太めの仕掛けは警戒してフッキング率は大幅に低下する。凪日和を選び、潮色を見て仕掛けの太さを変える等、きめ細かく対応することが大切だ。

画像(159x180)・拡大画像(274x309)

通常、この時期のメバル釣り場は、水深20〜50m位。水深30mまでなら20号オモリ、それより深い所は30号オモリ。ナス型の様に回転しやすいフォルムより、6角とかカジ付き等、回転しにくい型が良い。
 仕掛けはミキ糸1〜2号。35cm間隔で0.6〜1.5号8〜10cmエダスを5〜7本。素材は張りのあるフロロカーボン系が望ましい。
 ハリはモエビなど活エビならやや細長の三浦セイゴ13号など。アオイソメ等管虫類だったら丸型系、細地のメバル専用8号かチヌ3号など。
 ミチ糸もフロロ系で25mいろ変え染めのトヨフロン・スーパーサーフ3号ならベスト。リールは3号100m以上収納可能な小型両軸タイプ。
片軸も悪くないが、いずれも軽量が望ましい。 
 竿は先調子で、長い仕掛けを捌きやすい2.4mオモリ負荷15〜20号。
エビは尾羽を取って姿勢よく直線的にハリに刺す。
イソメ類はチョン掛けにして底へ送り込む。

竿はやや下向きに構え、着底したら直ちにリールのストッパーをオンにして、ゆっくりと竿先を上げる。底は岩礁で仕掛けが掛かりやすいので、着底したら手際よく操作する。 「コッ」。魚信があったら、そのまま待つ。1〜2秒後に「ググッ」と引き込む。この釣りに”合わせ”は不要。明確な魚信で一気に引き込めば、上バリに掛かったのだから、ゆっくり竿を立てて、下バリへのフッキングを狙う。「グズグズ」と鈍い魚信だから下バリに掛かったのだから、そのまま待つか、少したるませてみる。が、大幅にたるませると、根がかりして、元も子もなくなってしまうので、待つ程度が無難だ。
 晩春から初夏にかけては、夜釣りも楽しい。 夜は釣り場の水深が概して浅いので、竿はオモリ負荷10号、長さ2.1m程度の先調子キス竿でもよい。小型両軸リールに2〜3号ナイロン。仕掛けは1.5号のミキ糸同柄20cmのエダスを2〜3本。オモリは15〜20号。ハリは丸セイゴ13〜15号など。
 アオイソメをチョン掛けに、細めは房掛けにして、底から1〜3mの層を探る。

メ バ ル の 胴 付 き 釣 り

画像(320x153)・拡大画像(418x201)

着底後、すぐに底から離す。
スロー、スローに誘い上げ
魚信が明確なら上バリにヒット。ゆっくり上へ
下バリまで食わせてリーリング。
小さな魚信は下バリにヒット、そのまま待つ。
50cm程糸を繰り出しても良いが、多く出すと根がかりする。

テ ン ビ ン・コ マ セ サ ビ キ 仕 掛 け の 釣 り

画像(180x133)・拡大画像(300x223)

 テンビン仕掛けは、タナ取りに多少の経験がいるが、長いハリスだけに”食い渋った時”は有効だし釣趣も上々だ。
 ハリスは0.6〜1.5号1.5m、エダス1本の2本バリ仕掛けが標準。底まで一気に沈めたら直ちに2m巻き上げ、次いでスローで竿先を上げながら”誘い”をかける。魚信があっても合わせは不要。次は魚信のあった層の前後を重点的に探る。

 日本海のように、白系フラッシャーのサビキのみで釣れる地方や、東京湾久里浜んど、、アミコマセ+サビキで釣る地方など、実状は多種多彩だ。いずれも”多獲”という意味では、有効な釣りで、魚影の濃い地方ではミキ糸3号、エダス1.5号といった太めのサビキで。東京湾等では、ミキ糸2号、エダス1号と細柄で、さらにアミコマセ相乗効果を狙う。この釣りの最大のコツはコマセの幕でサビキを包むことだ。

イ ワ シ な ど の 活 き 餌 釣 り

画像(145x178)

瀬戸内海地方では、イカナゴ活き餌のメバル釣りが盛んだが、関東ではイワシ一辺倒だ。メバルは活き餌に敏感に反応するけれど、イワシは食い込ますまでが大変・・・。
しかしそのハラハラ、ドキドキの経過が逆に魅力となり、関東のイワシメバル釣りの人気は高い。
 仕掛けはテンビ式と胴付き式があり、いずれも0.6〜1号ハリスに渓流のヤマメ、マスバリなど極細地で軽量のハリを使う。


画像(151x180)・拡大画像(167x199)

 ハリをイワシの口から上顎へ、あるいはエラ掛けして素早く海中へ。なにしろこの釣りは、「餌の勢いの勝負」なので素早く手際よく餌をハリに掛けてメバルの泳層に沈める。
 もう一つ、この釣りの決め手は竿の調子。メバルが餌を口にした時から呑み込むまで可能なかぎり竿による抵抗感を与えない軟調子が望ましい。釣りは概して浅いので、オモリは5〜10号程度。だから磯竿1〜2号3.3〜3.6mが、胴調子5〜10号負荷の2.7〜3.3m船竿が多用されている。
「コツッ」。魚信があっても決して合わせてはいけない。はやる心を抑えてそのまま待つ。「ククッ、ククッ、クッ、グイーッ」。ここで竿を立てる。

 今回の釣り名人は、船釣りメバル釣りを紹介しました。

画像(100x122)

神奈川県茅ヶ崎市在住の服部善郎氏がメバル釣りの船釣りをお届け致しました。

カテゴリー: メバル タグ:

スルメイカ基本編

2009 年 8 月 8 日 Comments off
画像(103x180)・拡大画像(207x361)
スルメは手釣りが関東のベテランアングラーの常識。
縄鉢は自分のきき腕側に置くのが基本

画像(148x43)

ツツイカ目アカイカ科

本当にイカが大好きな日本人


世界中の海でイカは年におよそ150万t捕れるが、その半分は日本1国で消費する。日本は世界一の”イカ好き”なのだ。
 その日本人にとって最も馴染み深いイカがスルメイカだ。関西、西日本方面ではケンサキイカを好むが全国的にはスルメイカだ。
 スルメイカ(Todarodes pacificus)はケンサキイカやヤリイカなどと姿は似ているが、目に膜を持たない「開眼亜目」。胴は紡錘型で先端部の左右にほぼ三角形の一対の鰭を持ち、体色は淡褐色だが、興奮すると赤褐色に変化する。胴の中心には黒っぽい縞が走っており、普通サイズは胴長30cm、幅8cmくらい。
 昼間は比較的深い海の底にいるが夜になると浅海に上がって小魚などを盛んに補食する。もちろん日中でも活動するが特に活性が高まるのは水温14〜18℃の間といわれている。
 イカやタコなどのように胴の下に頭があって、その下に足(実は腕)がある動物を頭足類という。イカもタコも種によっては足の長さが異なり、それが一つの特徴となっている。「腕長式」といって腹側(ロート管のある側)を下向きにして、イカの場合なら左右5対、タコなら4対に分け、一番上の一対が1、次の一対が2という具合に分けて、足の長さの順に番号を並べて種を決める一つの決め手としている。 
 スルメイカは「3.2.1.4」。ちなみにヤリイカは「3.2.4.1」だ。
 さて、釣りだが、アマチュアのイカ釣りは全国的に見て関東が最も盛んだ。
 北海道石狩湾や津軽海峡、新潟や佐渡ヶ島、島根半島、隠岐、三陸、紀伊半島沿岸など各地でイカ釣りは行われているが、スルメイカはほとんど夜釣りで”シーズンのメインターゲット”とはいえない。 
 その点、関東では神奈川県横須賀市長井のように周年イカ専門に狙う釣り宿があり、アカイカ、ケンサキイカ、スミイカなど特定のイカのみをシーズン中専門に釣らせる船宿もたくさんあって、イカ釣りは関東の沖釣りではタイ、アジ、キス、イナダと並ぶ人気の釣りだ。

手 釣 り

画像(154x180)・拡大画像(261x304)

イカヅノは小魚などのイミテーションだ。ルアーなのだ。ルアーは人為的にアクションを与えることで生命が宿り、イカが反応する。手釣りだと竿釣りによりデリケートなアクションが伝達できるうえ、重い中オモリやナマリヅノなども楽に扱え、時には仕掛け全体をフケさせてタナに集中させることも可能などいろいろな利点が多いので、慣れた釣り人には手釣り派が多い。
 とはいえ、数十mから100mもの深い海を終日手で釣るのは、かなり重労働だし、糸や仕掛けもある程度扱い方を習練しないと、せっかくの潮時にからめて釣りにならない。
 特に風や波が強い日は糸がからにやすくプロでも苦労する。それでも”スルメは手釣り”が関東のベテランアングラーの常識になっている。

標 準 的 な 釣 り 具

画像(161x180)・拡大画像(177x197)

ミチ糸は楽にたぐれて滑りにくく、たぐると床によく馴染むポリエステル系(トト糸など)24号200m。10mから20mごとに色換え染めが好ましい。これを底が平らで低い”縄鉢”などに手繰り込んでおく。
 中オモリ40号程度の三日月形で上下にヨリモドシをつけ、上はミチ糸、下はナイロン8号3本撚りを2m結んで水中ライト。
 仕掛けはナマリにガス糸を巻いた一段カンナの8〜10号ナマリヅノ。間隔は1.5〜1.7mで約1ヒロ、各自、自分の体に合った間隔で、上段は10~12号、下段は5~6号という具合に順次上から下へ細柄ナイロンを結んでゆく。
 先端はスナップ・ヨリモドシで60〜80号オモリ。
 ミックスタイプも多用されている。例えば10本ヅノならば、上6本はナマリで」下4本を18cmのプラヅノにする。

ツノはルアーだ、手応えズシッ

縄鉢は自分の体の右側(右ききの場合)に船の揺れで滑らぬよう、そして糸を手繰り込みやすい位置に置く。
 船頭は魚探でイカの群れを探り当てるとやや潮上に船を廻し、風上にミヨシをたてて船を潮なりに流し、ゴー・サインを出す。
 素早くオモリから順にツノを1本ずつ手際よく海へ送り、船頭が指示するタナまで沈める。日中のスルメイカの場合、底狙いのケースが多いが、活性が高い時は中層でも乗る。 タナ、または底まで沈めたら、?右手で糸をつまんで、?60〜70cm勢いよく引いて糸を縄鉢へ、?左手でつまむと同時に右手は離し、左手を30cmほど引く。?左手を交差させた右手で糸をつまんで、?〜?を繰り返す。
 ツノはルアーだ。小魚のルアーだから、あたかも小魚がイカや大きな魚に追われて、ススッと逃げるさまを頭に描いて糸を一手一手メリハリをつけて手繰るうち、「ズシッ」と重たい手応え!
 釣れたらそのタナを糸の色で確認、さらに?ゆっくり手繰る。?ややソフトに手繰る、などして2杯目、3杯目を狙う。
 縄鉢のミチ糸には時折、潮(海水)を振りかけて湿り気を与えると馴染みがよい。
 イカが乗って仕掛けが海面に現れたら、上から中オモリ、水中ランプの順に鉢の隅に並べ、次いで?右手の親指でツノを押さえ、?右手を上げるトト藻に左手を伸ばしてミキ糸を押さえ、?右手のツノを鉢に置いてから左手と交差させて2番目のツノを押さえ・・・、?〜?を繰り返してツノを取り込み、イカが掛かっているツノはハリを上に向けてたてる。すると、イカは手を触れなくても下へ落ちる。

竿 釣 り

画像(166x180)・拡大画像(300x324)

竿釣りの利点は風並の日でも糸からみの心配がないこと。イカをかけても竿の上下動でコントロールできるのでバレが少ないことだ。竿先を見て楽しみながら釣れることなどで、プロ的感覚の手釣りに比べれば、能率の点で確かに劣るが、”楽しく、気分よく、それでいてほんの少したくさん釣れれば大満足”といったリクエーショナルな釣りではロッド&リールにブランコ仕掛けのイカ釣りが似合う。
 タックルは長さ2.4〜2.7m、先調子のオモリ負荷80号程度の竿に中型両軸手動リール。近年は電動リールも多用されている。ラインは伸び率が低くて強く細柄が使えるPE形5号ライン200m以上。
 仕掛けはミキ糸上部8号、下部6号で1.2〜1.5m間隔にチチワ結びで4~5号7cmのエダスを5〜7本。
 ツノはプラヅノ14cm。イカが大型の場合はミキ糸8号、エダス6号、ハリ間は1.5m。プラヅノは18cm。
 晩春の頃釣れるスルメイカの幼体「ムギイカ」には2.1〜2.4m、オモリ負荷30号程度の先調子竿に両軸リール。PE系3号ラインにナイロン8号のサキ糸を10m。仕掛けはミキ糸5号80cm間隔に3号7cmエダス5〜7本。
 ツノはプラスチックの本体にガス糸巻きの7〜8cmウキスッテ。棒型のアワヅノも悪くない。オモリは60号。 

画像(180x133)・拡大画像(300x223)

 いずれもにプラヅノはヤリイカよりも濃い色で、棒型プラヅノに9cmのガス糸巻きウキスッテを併用すると時に効果的だ。
 流し釣りで船頭が指示するタナか、特別に指示がなければ、まず底を狙ってみる。
 仕掛けをタナ、または底まで送ったら、竿先を下向きに構えた状態で糸を張る。
 ここから「スイッ」と目の高さまで小幅にシャープにしゃくり上げ、次いで頭上まで同じようにシャクる。今度は竿を最初の位置まで戻しながらリールを巻き、「スイッ」「スイッ」とシャクリ上げる。
 「ズシッ」、イカが掛かると重く竿の穂先がしなる。そのまま竿を構えながらゆっくりリーリングして2杯目を狙う。重さが一段と加わったら2杯目、3杯目が掛かった合図。ゆっくり、糸をたるめずに巻き上げる。
 海面まで巻き上げたら竿をホルダーに掛けて糸を手に取り、仕掛けをたるませないようにツノを取り込んで投入器あどに収容、掛かったイカは船に当てないよう手を外へ大きく伸ばして取り込み、ツノをたててイカを外す。
 なお、電動リールの場合、イカが掛かった時は手動で巻き上げる。バレを防ぐためだ。

画像(100x122)

服部善郎

神奈川県茅ヶ崎市在住の
服部善郎氏が
スルメイカ釣りの基本をお届け致しました。

カテゴリー: スルメイカ タグ:

ワカシ・イナダ基本編

2009 年 7 月 8 日 Comments off
画像(90x180)・拡大画像(208x412)

釣趣・流麗な魚体・食味と三拍子揃った出世魚


画像(144x53)

鰤 スズキ目アジ科ブリ属

成長につれて名称を変える出世魚 
関東では「ワカシ」→「イナダ」→「ワラサ」→「ブリ」。
関西では「ツバス」→「ハマチ」→「メジロ」→「ブリ」。
東北や北海道ではイナダ級を「フクラゲ」、ワラサ級を「アオ」と呼び、様々な呼び方で
久しまれている。
 パワーとスピード感に満ちた釣趣、流麗な姿体、そして上々の食味・・・
ブリは三拍子揃った第1級の釣魚だけに全国各地に多彩な釣技がある。
 日本列島の西の海で生まれたブリの稚魚は、春の頃には10cmほどに育ち、黒潮に乗って北上する流れ藻について四国沖にやって来る。
 この頃の稚魚を「藻につく稚魚」→「モジャコ」と呼び、やがて藻から離れ、群れて自活するようになると、夏には20cm〜30cmのツバス、ワカシに成長して日本海の新潟沖や太平洋側の紀伊水道、相模湾などに姿を現す。
 これが秋には40cm余りのイナダ、ハマチに成長。
回遊魚群の先端は北海道まで北上する。

 3年で体長は70cm〜80cmに達してメジロ、ワラサ、アオに出世し、4年を過ぎる頃にはブリとなって一族に君臨する。
 典型的なフィッシュ・イーターで成長が極めて早いだけに食欲も大変旺盛で、イワシ、コオナゴ、小アジ、小サバ、iイカなどのほか、シラスやアミなど動物質の餌を活発に摂取、夜も補食活動する。
 生活圏は底から表層まで広範囲で、特にワカシの頃までは、この傾向が強いが、ワラサ、ブリになると中層から底層が主な生活圏になる。
 補食スタイルは水平、あるいは斜め上方に餌を見つけると突進、一気に口にして下、または斜め下方に突っ込む”山型”だ。
 口は比較的大きく、唇も丈夫で、歯は貧弱なので、餌を飲み込まれてもハリス切れや肉切れによるバラシのトラブル率は低い。
 さらに、一見同じようなアジ科の兄弟魚ヒラマサは、ハリにかかると一気に海底に突っ走り、障害物に回り込んでハリスを擦り切ってしまうが、ブリは回り込まないので、釣りやすい魚といえる。
以上の事から以下の様な事がいえる。


イ ナ ダ ・ ブ リ 釣 り の 基 礎 知 識

画像(180x150)・拡大画像(300x251)

1 泳層が幅広いので、正確なタナ取りが大切。
2 餌はイワシ、小アジなどライブベイトがベスト。
3 コマセは大変有効。イナダからブリまで。
4 ワカシにはシラスが有効。
シラスのイミテーションでもあるサビキもワカシ釣りに威力。
5 フィッシュ・イーターは動く餌に敏感に反応するので、ルアー・フィッシングも面白い。
6 ルアーにコマセを加えれば効果は倍増する。
そこで登場するのが「カッタクリ」だ。
7 夜釣りが可能というより、日本海では夜釣りが主体。
8 ハリスの太さはさほど気にしない魚なのでパワーとスピードに負けない強度のハリスを使う。
9 ハリはフッキングしやすく、餌もつけやすいタイプの、フトコロが広めで太軸の丈夫な製品。
例えばグレバリ、ヒラマサバリなど。
10 ブリの瞬発力をソフトに吸収してくれる優れたドラグシステムを持つリール。

ワ カ シ の サ ビ キ 釣 り

画像(144x180)・拡大画像(300x375)

体長30cm未満のワカシ、ツバスはシラスやアミ等のコマセに良く反応する。だからシラスのイミテーションであるサビキは、この釣りに大変有効でアミコマセにサビキは、ワカシ、ツバス釣りの決め手だ。
 竿は3m余りのオモリ負荷20〜30号の胴調子。両軸リールにPE系3号ライン。2mm系60cmクッションゴム下にプラスチック製アミコマセ籠。サビキはミキ糸6〜7号。エダスは4〜5号5〜7本。ハモ、カワハギ、ナマズなどの魚皮やフラッシャー、オーロラ糸など、化学製品のデコレーション・フック。
 オモリは50号と重めを使う。育ち盛りのワカシは水面から20mくらいの層に浮上して盛んに補食活動する。
 流し釣りでは船頭は魚群を見つけると船を流してゴーサインを出す。
 サビキを沈めたら、シャープに竿を振ってコマセを撒く。次いでゆっくりと竿先を上げてコマセの幕の中にサビキを誘い込む。
「ググーッ」
待つ間もなくワカシが小気味良く竿を絞り込むであろう。
 


関東圏の主なワカシ・イナダ・ワラサ・ブリの釣場

画像(320x224)・拡大画像(500x351)

 今回は、各地の呼び名や特徴などと、お手軽なワカシのサビキ釣りを紹介させて頂いたが、ブリの釣方は全国各地に様々な方法があり、今後シーズン毎に様々な釣法を紹介していきたいと思う。

画像(100x122)

服部善郎

神奈川県茅ヶ崎市在住の
服部善郎氏が
初秋のワカシ・イナダをお届け致しました。

カテゴリー: ワカシ・イナダ タグ: