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ワカシ・イナダ基本編

2009 年 7 月 8 日
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釣趣・流麗な魚体・食味と三拍子揃った出世魚


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鰤 スズキ目アジ科ブリ属

成長につれて名称を変える出世魚 
関東では「ワカシ」→「イナダ」→「ワラサ」→「ブリ」。
関西では「ツバス」→「ハマチ」→「メジロ」→「ブリ」。
東北や北海道ではイナダ級を「フクラゲ」、ワラサ級を「アオ」と呼び、様々な呼び方で
久しまれている。
 パワーとスピード感に満ちた釣趣、流麗な姿体、そして上々の食味・・・
ブリは三拍子揃った第1級の釣魚だけに全国各地に多彩な釣技がある。
 日本列島の西の海で生まれたブリの稚魚は、春の頃には10cmほどに育ち、黒潮に乗って北上する流れ藻について四国沖にやって来る。
 この頃の稚魚を「藻につく稚魚」→「モジャコ」と呼び、やがて藻から離れ、群れて自活するようになると、夏には20cm〜30cmのツバス、ワカシに成長して日本海の新潟沖や太平洋側の紀伊水道、相模湾などに姿を現す。
 これが秋には40cm余りのイナダ、ハマチに成長。
回遊魚群の先端は北海道まで北上する。

 3年で体長は70cm〜80cmに達してメジロ、ワラサ、アオに出世し、4年を過ぎる頃にはブリとなって一族に君臨する。
 典型的なフィッシュ・イーターで成長が極めて早いだけに食欲も大変旺盛で、イワシ、コオナゴ、小アジ、小サバ、iイカなどのほか、シラスやアミなど動物質の餌を活発に摂取、夜も補食活動する。
 生活圏は底から表層まで広範囲で、特にワカシの頃までは、この傾向が強いが、ワラサ、ブリになると中層から底層が主な生活圏になる。
 補食スタイルは水平、あるいは斜め上方に餌を見つけると突進、一気に口にして下、または斜め下方に突っ込む”山型”だ。
 口は比較的大きく、唇も丈夫で、歯は貧弱なので、餌を飲み込まれてもハリス切れや肉切れによるバラシのトラブル率は低い。
 さらに、一見同じようなアジ科の兄弟魚ヒラマサは、ハリにかかると一気に海底に突っ走り、障害物に回り込んでハリスを擦り切ってしまうが、ブリは回り込まないので、釣りやすい魚といえる。
以上の事から以下の様な事がいえる。


イ ナ ダ ・ ブ リ 釣 り の 基 礎 知 識

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1 泳層が幅広いので、正確なタナ取りが大切。
2 餌はイワシ、小アジなどライブベイトがベスト。
3 コマセは大変有効。イナダからブリまで。
4 ワカシにはシラスが有効。
シラスのイミテーションでもあるサビキもワカシ釣りに威力。
5 フィッシュ・イーターは動く餌に敏感に反応するので、ルアー・フィッシングも面白い。
6 ルアーにコマセを加えれば効果は倍増する。
そこで登場するのが「カッタクリ」だ。
7 夜釣りが可能というより、日本海では夜釣りが主体。
8 ハリスの太さはさほど気にしない魚なのでパワーとスピードに負けない強度のハリスを使う。
9 ハリはフッキングしやすく、餌もつけやすいタイプの、フトコロが広めで太軸の丈夫な製品。
例えばグレバリ、ヒラマサバリなど。
10 ブリの瞬発力をソフトに吸収してくれる優れたドラグシステムを持つリール。

ワ カ シ の サ ビ キ 釣 り

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体長30cm未満のワカシ、ツバスはシラスやアミ等のコマセに良く反応する。だからシラスのイミテーションであるサビキは、この釣りに大変有効でアミコマセにサビキは、ワカシ、ツバス釣りの決め手だ。
 竿は3m余りのオモリ負荷20〜30号の胴調子。両軸リールにPE系3号ライン。2mm系60cmクッションゴム下にプラスチック製アミコマセ籠。サビキはミキ糸6〜7号。エダスは4〜5号5〜7本。ハモ、カワハギ、ナマズなどの魚皮やフラッシャー、オーロラ糸など、化学製品のデコレーション・フック。
 オモリは50号と重めを使う。育ち盛りのワカシは水面から20mくらいの層に浮上して盛んに補食活動する。
 流し釣りでは船頭は魚群を見つけると船を流してゴーサインを出す。
 サビキを沈めたら、シャープに竿を振ってコマセを撒く。次いでゆっくりと竿先を上げてコマセの幕の中にサビキを誘い込む。
「ググーッ」
待つ間もなくワカシが小気味良く竿を絞り込むであろう。
 


関東圏の主なワカシ・イナダ・ワラサ・ブリの釣場

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 今回は、各地の呼び名や特徴などと、お手軽なワカシのサビキ釣りを紹介させて頂いたが、ブリの釣方は全国各地に様々な方法があり、今後シーズン毎に様々な釣法を紹介していきたいと思う。

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服部善郎

神奈川県茅ヶ崎市在住の
服部善郎氏が
初秋のワカシ・イナダをお届け致しました。

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